Q.ブロードとは何ぞや? A.夏に最適の素材ですよ。

こんにちは。
東京店スタッフの小坂です。

推敲前はここで皐月賞について熱く語っていたのですが、とんでもない怪文書が仕上がっておりましたので泣く泣く全カットさせていただきました。
本題に入る前にブラウザバックさせてしまっては元も子もないですからね。

さて、今回ご紹介させていただきますのはブロードシャツでございます。
ブロードって中々気の利いたファブリックなんですよ。
特に夏は殊更に。
ZABOUで扱いのあるブロードシャツをご紹介しつつ、ブロードの良さを知っていただこうというのが今回の趣旨です。


しかし、商品の紹介の前に、ブロードがどういったファブリックであるかをご説明申し上げなければ道理でないですね。
ご安心ください。
しっかりご説明させていただきます。

ブロードとは

辞書的な説明をするのであれば、「コットンを高密度に平織りしたしたもの」を指します。
これだけではなんのこっちゃ分からないことと思いますので、皆様お馴染みのオックスフォードと比較する形でご説明させていただきます。
生地を大別する上で要となる、糸の太さと織り方の観点からブロード(とオックスフォード)を掘り下げてみましょう。

※以下のご説明は典型的なものとしてでして、全てのブロードとオックスフォードが以下のように織られているわけではありません。

まずは、糸の太さについて。
ご想像いただけることと思いますが、糸の太さは生地感に直結します。

ブロードには50~140番手(数値が大きい程、細い糸を用いていることになります)の糸を用います。
オックスフォードには40~80番手の糸を用います。
比較するとブロードの方が細い糸を用いているわけです。

続いて、織り方について。
糸を布とするには、縦の糸と横の糸を交差させる必要があります。
この際、縦と横にそれぞれどんな糸を用いるか、糸の本数によって、生地の仕上がりが違ってきます。
糸の太さと同様に、重要なファクターです。

ブロードは縦に単糸(1本の糸)を1本、横に双糸(2本の糸を撚って太い1本の糸としたもの)を1本配して織りこみます。
横の方が糸が太いので、畝(うね)と呼ばれる生地の盛り上がりが横方向に生じます。
大袈裟に言えば、生地にコーデュロイのような凹凸があるのです。

ブロード

対するオックスフォードは、(基本的に)縦横ともに双糸を2本を配して織りこみます。
ブロードとは違い縦横で糸の太さが均一なので、凹凸のない平坦な生地となります。

オックスフォード

余計になんのこっちゃ分からないですね。
もっと嚙み砕いてご説明いたします。

細い単糸と細い双糸を1本ごとに織りこむブロードと、太い双糸を2本ごとに織りこむオックスフォードでは生地感が異なります。
ブロードは細い糸を高密度に織りこんでいるので、薄手の生地ながらも強度があり、光沢と柔らかな肌触りが特徴です。
オックスフォードは太い糸を比較的粗めに織りこんでいるので、厚手の生地で、光沢がなくザックリとした肌触りが特徴です。

さて、本題に立ち返りまして、何故夏にはブロードが殊更オススメなのか。
端的には生地が薄く、肌触りがサラッとしているからです。
生地が薄いのでオックスフォードと比べて蒸すことがありませんし、隙間があまりないので汗を抱えこんで重たくなるようなことがありません。
夏にうってつけの素材じゃないですか。
正に、これから旬を迎えるファブリックなわけです。

そんな素敵なブロードを用いたシャツをご紹介させてください。

H by FIGER(エイチバイフィガー)ブロード無地ボタンダウンシャツ ホワイト

ハナを切るのはエイチ・バイ・フィガーのブロードシャツでございます。
このブログの執筆にあたり、代表の野澤さんからお話を伺いました。
野澤さん、ご協力ありがとうございました!

さて、エイチ・バイ・フィガーのシャツの魅力について一からお話させていただきたいのですが、何せ尺がパンパンなのでこちらをご一読いただけますと幸いです。
冒頭の皐月賞について同様、僕の怪文書で読者様を疲弊させるのは避けたいところなのです……

エイチ・バイ・フィガーのブロードシャツは比較的太めの50番手の糸を用いたブロードがファブリックとなっております。
しっかりとハリとコシがあるので、ビジネスシーンで見栄えする生地感ではないでしょうか。
アイロンでプレスしてあげると、パリッとした雰囲気がお楽しみいただけることと思います。

コーマ工程を経た糸(コーマ糸)を用いています。
コーマ工程とは短い繊維を除去するもので、これを経たコーマ糸は毛羽立ちが少なく、より強い光沢と発色の鮮やかさが特徴となります。
太めの番手によるハリとコシ、コーマ工程による毛羽立ちの少なさと光沢感の両立と、なんとも贅沢なファブリックですね。
ブロード特有のサラッと感は楽しみたいけど、カチッと感も残したいというワガママに答えてくれる、頼りになるヤツです。

続いてはこちら。

SERO(セロ)ボタンダウンシャツ ロンドンストライプ ネイビー

セロのブロードシャツです。
こちらは去年の秋冬にZABOU別注として誂えたもの。

かなり細めの100番手の糸を用いているので、肌当りが柔らかです。
特別ハリのあるファブリックではないのですが、それ故に皴になりにくかったりします。
カジュアルなシーンで着用することの多いセロのシャツですから、洗いざらしでも着れる程度の皴に留まってくれるというのは嬉しいところです。

非常に繊維の長いことで知られるギザ・コットンをマテリアルとしています。
そのお陰か、非常にスベスベとした肌触りです。
先に申し上げたように、繊維が短いと毛羽立ち等の原因となります。
繊維の長いギザ・コットンにおいては、そのあたりの心配はご無用というわけです。

トリは私物として機嫌良く愛用しているこちら。

SERO(セロ)ボタンダウンシャツ グラフチェック

同じくセロから、今年の別注品でございます。
こちらも同様に100番手の糸を用いており、似たような生地感です。

僕の主観としてですが、こちらの方がふっくらとした生地感な気がします。
微妙な違いなので、お好みによってお選びください。

生地感とはまた別の話ですが、僕としてはグラフチェック柄が大変可愛らしいと思うので、こちらを推したいところです。

といった具合に、ブロードの仕様から特徴、それをファブリックとした商品までご紹介させていただきました。
どうにか怪文書にならぬように、ブロード同様、サラッとした読了感を目指すのが今回の裏テーマでしたが、ついつい熱が入りすぎる悪癖をどうにかするのが次回以降の課題ですね。
これに懲りずにまたお付き合いいただけますと幸いです。

それでは、店頭でお待ちしております。
ありがとうございました!

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小坂

東京店スタッフの小坂です。
168cm 54kg、体型の近い方はサイズ感についてのお問い合わせもぜひ。
店頭でお待ちしております!