アメリカントラッドを語る上で、『IVY(アイビー)』というカルチャーは絶対に避けては通れないモノ。
我々が普段口にするその言葉の由来は、
アメリカ合衆国北東部にある名門私立大学8校の総称『IVY LEAGUE(アイビーリーグ)』の事で、この8校で構成されるスポーツ競技の連盟組織を指します。
アイビーとは植物の蔦(ツタ)を意味し,歴史の古いそれぞれの校舎に長いツタがからまっていた事がその学校の由緒ある伝統を表していると、この名で呼ばれるようになったそう。
『IVY LEAGUE』に所属する学生たちが普段来ているファッションや部活動に入っている選手たちの日々のスタイルはアイビー・スタイル(Ivy style)と呼ばれ50年代当時のアメリカで流行し、それが60年代~70年代ごろ日本でも浸透していき現在ではメンズファッションの一つのカテゴリーとしての地位を確立するまでに。
僕自身、この手のスタイルは大好物でございまして過去の文献や資料を見ることもしばしば。
そんな彼らの格好を見ていると、夏のスタイルには決まってパッチワークマドラスやマドラスチェック、シアサッカーなどの素材が使われていました。
一見難しいとされているこれらの素材も、彼らにとっては何気なく着ているワードローブの一つであり、それらを何の気なしにサラッと羽織っているのが自分にとってはすごくカッコ良く、
今年の夏にはぜひ挑戦したいなと思っていました。
そんな事を考えていると今年の1月頃にH by FIGERの野澤氏より新作シャツのご提案が。
なんと生地選びからご一緒させていただけることに。
アイビースタイルを熟知されている野澤氏が作るブランドで作るならば、思いきりアイビースタイルに合う夏らしいシャツにしようと共にアイデアを膨らませ今回3素材・4型の新作に至りました。
Madras Patchwork B.D.Shirt
まず最初はパッチワークのマドラスチェックを。
昨年も展開していたパッチワークマドラスですが、今年は色の落ち着いた柄をチョイス。
往年のラルフローレンが出していたような色の配色は土臭くて男らしい。
それでいながらも使われている色は馴染みの良いものが多いので、シャツ単品が浮きすぎずデニム・チノパンなどのカジュアルパンツとも相性は◎
着用:XLサイズ(170cm/68kg)
インディアンマドラスの物語は古く、元を辿れば遥か昔400年前に遡ります。
当時のインドは、世界一の綿織物技術を誇っており、機械織りでは決して生み出すことができなかったインドの職人の手工芸的綿織物でした。
単糸で粗目の生地が特徴的なマドラスの生地は、通気性に優れていた為、夏場の素材として重宝されてきました。
1950年代のアイビーリーグでは、大胆な柄が目を引くマドラスチェックは当時のアイビーリーガー達を虜にしていたのだとか、、、
これからの時期になってくるとハーフパンツを穿く方が多くなりますが、当時のお手本にならってアイボリーのピケパンにコインローファーはいかがでしょう。
主役であるシャツを生かすにはパンツもシンプルに。土臭さがありながらもどこかさわやかな印象になります。
見る角度によってマドラスの柄目が変わるのもパッチワークマドラスならでは。
Plain Madras B.D.Shirt
続いてプレーンなマドラスチェック。
こちらはクリーンな印象のドレスゴードン調のチェックをご用意。
マドラスを2型出すのであればどちらも対照的な柄が良いよねと、全体的に暖色が多く使われたパッチワークとは違い寒色をベースに。
似た柄でブラックウォッチも最後まで検討していましたが、夏場に着ることを考えると少々重くなると思い、白と薄くイエローの入っているこちらの生地を選定しました。
チェック好きはもちろん、普段チェックを着慣れていない方でも入りやすい仕上がりになったのではないでしょうか。
着用:XLサイズ(170cm/68kg)
非常に薄手の生地感で肌当たりの良さが特徴のマドラスは、べたつく夏に重宝してくれます。
もちろん盛夏に着ていただく事を想定していたので、ショーツとの相性も抜群でございます。
先ほど同様、チェックを最大限に活かすのに大事なポイントは他のアイテムで色を拾ってあげること。
キャップとショーツはネイビーでインナーとバッグは白を選び、まとまりがクリーンなコーディネートに。
あえてナイロンショーツを穿くことで、きれいに纏まりすぎない良い感じのラフさが出てくれます。
ぜひ、MOCEAN(モーシャン)やPROPPER(プロッパー)のショーツと合わせて頂きたい1着です。
Seersucker L/S B.D.Shirt
3つめは最近見かけることが少なくなった、シアサッカー生地の長袖ボタンダウン。
マドラスチェックと共に夏のアイコンとなっている「シアサッカー」。
その歴史もマドラス同様古く、18世紀のインドでイギリス人向けに綿花で織り始めたのが起源となっています。
ファッションとして日の目を浴びることになったのは、1920年代のブルックス ブラザーズがシアサッカーのスーツを出してから。当時ドレスコード制があったアメリカで暑い夏でもジャケットを着用する事が出来ると瞬く間にシアサッカーは注目を浴びました。
事実、シアサッカーは生地に凹凸を作る織り方をしているので肌との接触部分が少なく、夏場でもべたつきません。
シアサッカーといえばサックスブルーを想像する方が多いとは思いますが、今回は清涼感のあるオレンジのチェックを選定。
細かいチェックになるので無地シャツと同じような使い方が出来ます。
着用:Lサイズ(175cm/65kg)
生地に凹凸があることで直接肌に触れる面積が少なく、清涼感とドライなタッチを感じられるシアサッカー。
軽く、洗濯後もアイロンをかけることなく着られることも大きな特性です。高温多湿の日本の夏にはもってこいの生地ですよ。
近年ではオフィスカジュアル化も進んできましたが、取引先へ訪問する時などはやっぱり襟付きのシャツは必須アイテム。
細かいチェック柄であれば取り入れやすいでしょうし、なによりブロードやオックスフォードとは違い着心地はサラリとしているので日々お仕事で動き回る方にぴったりです。
ブランドの代表である野澤氏が『アメリカにいた当時、ニューポートビーチのブルックスブラザーズの社員が夏に、ユニフォームとして全員がシアサッカーの長袖B.Dを着ていた。』と話していたのがとても印象的で、
そのスタイルを日本らしいオフィスカジュアルに落とし込むのであれば、BARNSTORMER(バーンストーマー)の綿ポリ素材で耐久性の高いグレースラックスにRegal Shoe&Co.(リーガルシューアンドカンパニー)のビブラムソールが使われた革靴などはいかがでしょう。
Seersucker H/S Pullover B.D.Shirt
最後は半袖のプルオーバーシャツ。
生地には先ほど同様のオレンジチェックのシアサッカーを使用しております。
そもそもコチラは展開する予定は無い形だったのですが、
昔の文献を見ていると、アメリカの学生たちが半袖プルオーバーシャツをラフに着て写っているのがとてつもなくカッコよくて野澤氏に無理を言って作っていただきました。
半袖プルオーバーシャツも最近では珍しいのではないでしょうか。
着用:XLサイズ(170cm/68kg)
形は長袖ボタンダウンに比べ、身幅にゆとりを持たせているので窮屈感はなく程よくラフな印象に。
オレンジ×オリーブは個人的にお勧めしたいコーディネートの色合わせ。
オレンジといっても薄めになるのでパンツとの色のコントラストが付きすぎず色馴染みも抜群。
形がきれいなシャツはBARNSTORMER(バーンストーマー)と合わないわけもなく、生地はラフながらもすっきりとした見え方をしてくれます。
裾はボックスカットになりますので前・後ろ両方からみてもすっきりとしています。
RESOLUTE(リゾルト)の色落ちしたデニムとの相性も◎
太めの軍パンも良いけれど、細みのパンツだってお手の物。
濃いインディゴが残ったデニムとも合いますが、これからの時期はやっぱり色落ちデニムがよく映えます。
コットン素材のバミューダパンツを穿いて足元はホワイトのデッキシューズ。
当時のアイビースタイルさながらのコーディネートも、今の時代には新しく新鮮な着こなしです。
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全国的に梅雨入りしてきましたが、それを越えればもう夏は目前。
日本製に拘り、今の時代のスタンダードを行くH by FIGER(エイチバイフィガー)が作る夏のアイビーボタンダウンシャツ。
すでに全型ご好評いただいており、現在サイズは揃っているもののメーカーも在庫が少なくなっているそうです、、、
夏本番が来る前に是非ゲットしておいてください!
イベント情報
『Rinascente(リナシェンテ)単独公演!サマーニットフェア』
6月 3日(土)~6月11日(日) ZABOU大阪
6月15日(木)~6月19日(月) ZABOU銀座
6月23日(金)~6月27日(火) ZABOU渋谷
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