週刊ZABOU「BRENA(ブレナ)EXCLUSIVE DROIT JACKET Ⅱ」

前回、前々回と大変ご好評いただいておりました、BRENA(ブレナ)のDROIT JACKET。
元来オーダーメイドなどに用いられる、職人が一着一着を手仕事で仕立てる「丸縫い」の技術を、既製服に採用したジャケットを、別注という形でオーダーしました。

前回はアイビールックな1型「DROIT JACKET」に、高密度ウエストポイントを採用した
汎用性の高いコットンジャケットに仕立ててもらいました。現在こちらは大阪店に46サイズが一着のみお取り扱いがございます。
カジュアル目線でいくとこの辺りは本当に品良く取り入れて頂けますし、無骨なパンツにも難なく合わせて頂けますが、
これから先、暑さが続くと、もう一段階薄い生地が欲しくなりました。

素材

ご存じの方も多いかと思いますが、現在リネン生地などの麻素材はかなり値上がりしており、とてもリネン100では値段が合わない。
トロピカルウールは少し品が良すぎて、デニムやミリタリーパンツに合わせると、チグハグ感が否めない。

どうしたものかと悩んでいた際、ブランドディレクターのM氏に相談してみたところ、「ホップサックが良いのでは?」という意見を貰いました。

ホップサック…生地ではなく織りの種類。元来、ビールの原料のもとになるホップの運搬に使われた麻袋がこの織り方。かごの目状に織られたものをホップサックといいます。 こちらの生地はウール100%のホップサック。
鹿の子とは違いますが、編み目に隙間が生まることにより、通気性が高く肌にべたつかず春夏も快適。
また、ウールトロピカルとは違い、滑らかでなくドライ。光沢感が薄れるので、よりカジュアル向き。
自分達のセレクトするボトムスやトップスとの相性が良く、ピッタリとフィットするリアルなイメージが湧きました。
ただ、オーセンティックではありますが、カジュアルではあまり聞きなれない素材。生地を探すとなると今までは国内だと、岡山などのミリタリー、ワーク向けの素材からセレクトしておりましたが、そのような生地屋にはウールはおろか、ホップサックなんて存在しません。丸っきり畑が違うのです。

もう一つはウールだとどうしても高額になってしまう。最早コストを度外視した物作りも視野に入れておりましたが、それだとあまりにハードルが高過ぎるし、そもそもオーダーで良くない?という結論に至りました。

やはり既製服である以上は、出来るだけ長く、板につくまで着て欲しい。出来れば価格帯もカジュアルであれば良し。
それこそが本当の意味で良いジャケットなのでは。
特別な日だけではなく、気が付けば羽織っている。そんな存在であって欲しいと思うのです。

そこで出会ったデッドストックという選択。国内ではなく、英国のホップサック。
今だととんでもない値段になり兼ねないですが、こちらは推定40~50年前の物。
目の詰まりもインポートらしく、これぞホップサックと言わんばかりの質感です。
色味もほんのりと赤みがかったダークネイビー。如何にもヨーロッパらしい。

やはり着心地は軽く、風が抜ける心地良いドライ感。
リネンシャツや、丸首のニットなんかと合わせても浮かない質感に仕上がっております。

副資材

そんなスペシャルなヴィンテージの英国製ホップサック。ボタンまでとことん拘りました。

こちらもヴィンテージのメタルボタン。ゴールドの方が圧倒的に多い紺ブレですが、シルバーのものは珍しく
特に紋章ではなく、ライン入りのボタンはあまり見たことがありません。
それもそのはず、こちらは1960~70年代に作られていたフランスのメタルボタン。ゴールドの紋章入りも普遍的で良いのですが、珍しいこちらをセレクト。
PLOT(筋入り)なので、光沢感も控えめで、水牛ボタンよりも輝いて見えるシルバーが、春夏の気分にピッタリかと思います。

こんな感じで英、仏の素材を日本の職人が仕立てる、国内外問わず良い物は良いとセレクトしてきたZABOUらしい仕上がりになったと思います。

BRENA(ブレナ)別注 DROIT JACKET HOPSAC

BRENA(ブレナ)別注 DROIT JACKET HOPSAC  ¥46,200-

デッドストックやヴィンテージの素材を使用する事により、丸縫いのジャケットをより手に取りやすい価格帯にてご提供できることになりました。
高級感がありながらも、しっかりとカジュアルなスタイルにフィットするウール100%のジャケットです。

前回ご紹介のコットン100%のウエポンと同じくの背抜き仕立てで、夏も軽快に着用が可能。
背中のみ当て布を使用しております。

袖もヴィンテージのボタンを配し、疑似アイビーブレザーといったところでしょうか。

勿論本切羽。この辺りも手作業で抜かりなし。袖裏はポリエステルを使用しており、汗をかいても速乾性に優れております。

形はお馴染みの3つボタン、段返り、3パッチポケット。ベントはセンターフックと、これでもかというくらいに、アイビーブレザーの正解例。
普通で良い物ほどディテールであったり、仕様、パーツ使いが必須になってきます。

Style.1

●ジャケット BRENA(ブレナ)  サイズ:50  ¥46,200-
●シャツ FAR EAST MANUFACTURING(ファー イースト マニュファクチャリング)  サイズ:17-34  ¥22,000-
●パンツ BARNSTORMER(バーンストーマー)  サイズ:L  ¥19,580-
●シューズ G.H.BASS(ジーエイチ・バス)  サイズ:US11  ¥31,900-
モデル 身長185㎝ 体重72㎏ 足のサイズ約29㎝

まずはお馴染みのBARNSTORMERから。
丁寧に仕立てた丸縫いのジャケットに、スラックス仕立てのチノパンツ。
合わないワケがございません。

ラペルの大きさも程良く、シャツ襟は7㎝のSEROから、H by FIGERやFEMなどのブルックスタイプの9㎝まで幅広く対応します。

Style.2

●ジャケット BRENA(ブレナ)  サイズ:46  ¥46,200-
●ポロシャツ LACOSTE(ラコステ)  サイズ:3  ¥17,600-
●パンツ ARAN(アラン)  サイズ:2  ¥26,400-
●シューズ G.H.BASS(ジーエイチ・バス)  サイズ:US9  ¥31,900-
モデル 身長175㎝ 体重65㎏ 足のサイズ約26.5㎝

ネイビー×ホワイトは夏のマリンスタイルの永遠のテーマ。
鹿の子編みのラコステL1212に、ホップサックの素材感が絶妙にマッチします。

夏場のクールビズにも難なく取り入れて頂けるかと。
パンツは白やアイボリーの他、色落ちしたデニムも間違いないです。

Style.3

●ジャケット BRENA(ブレナ)  サイズ:48  ¥46,200-
●カットソー Saint James(セントジェームス)  サイズ:T5  ¥13,200-
●パンツ BUZZ RICKSON’S(バズリクソンズ)  サイズ:M  ¥30,800-
●シューズ G.H.BASS(ジーエイチ・バス)  サイズ:US9.5  ¥31,900-
身長170㎝ 体重68㎏ 足のサイズ約27.5㎝

ミリタリーパンツに、バスクシャツ。そんな普段のスタイルにも相性は良いのです。
オリーブのパンツは少しロールアップしてローファーで締める。

グレーのスラックスに、カンカン帽を被ってしまえば、夏場の正装の出来上がりです。
ただ、もう少しリラックスした雰囲気で合わせるのであれば、ミリタリーパンツの極太なシルエットも良いのではないでしょうか。

Style.4

●ジャケット BRENA(ブレナ)  サイズ:42  ¥46,200-
●シャツ SERO(セロ)  サイズ:14  ¥15,400-
●パンツ BUZZ RICKSON’S(バズリクソンズ)  サイズ:31  ¥17,380-
●シューズ SPERRY TOP SIDER(スペリートップサイダー)  サイズ:US8  ¥8,800-
モデル 身長160㎝ 体重60㎏ 足のサイズ約25㎝

シャンブレーのBDをキチンと留めずに、RLばりの着こなしもOKです。
キチンと着なくても、ジャケットの形さえバチっと決まっておりましたら、それでOKです。

所謂な形式的な紺ブレではないので、振り幅が広いのもこのジャケットの特徴の一つ。サイズ感もゆったりしているので、シャツが暑くなればカットソーに。インナーをニットにしてしまえば10月くらいまで着用可能です。

Style.5

●ジャケット BRENA(ブレナ)  サイズ:42  ¥46,200-
●シャツ SERO(セロ)  サイズ:14H  ¥16,500-
●パンツ BARNSTORMER(バーンストーマー)  サイズ:M  ¥17,380-
●シューズ SOLOVAIR(ソロヴェアー)  サイズ:UK7  ¥38,500-
●ネクタイ MOONCASTLE(ムーンキャッスル)  ¥7,700-
モデル 身長160㎝ 体重60㎏ 足のサイズ約25㎝

中々素材感でしっくりこなかったアイビーボーイな紺ブレ×チノショーツも、正解例がこちら。
足元はスッキリとローファーもおすすめですが、デザートブーツの方が通好みでしょうか。

今回もアンコン、プレス襟元の芯地やプレス極力柔らかい仕上げにしてもらいましたので、
インナーはシャツ、カットソー、ニットと何でもござれな、汎用性の高いジャケットとなりました。

前回生産時もそうでしたが、お問合せも多くいただいております。
やはり仕立ての良い紺ブレは一着は押さえておきたいところ。
今、本当にこうした丸縫いが出来て、かつ自分達のようなカジュアルショップにフィットするジャケットが本当に少ないんです。
オールシーズン着回せるブレザーも良いですが、季節に応じて素材や仕様まで拘ることの出来る大人は、洒落ていると思います。

是非皆さまにもご体感頂きたい逸品が完成しました。
こちらは明日4月26日(土)12:00より店頭、オンラインにてご覧頂けます。
宜しくお願い致します。

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