こんにちは。
東京店スタッフの小坂です。
イベントを盛り上げるべく、スタッフ一同せっせと準備に勤しんでおります。
本イベントの特色は
・豊富なサイズをご用意している点
・豊富なエイジングサンプルをご用意している点
・デザイナーによるフィッティングのアドバイスの場をご用意している点
以上の3点に集約されていると言って良いでしょう。
毎年のように本イベントを開催させていただいている手前ではございますが、これらが揃う機会はそうそう巡るものではありません。
どうぞお見逃しのございませんように。
といった運びで、本日は711と714の違いについてお話させていただきます。
昨年の4月から展開されている714。
それこそ発売の折には様々な誌面上で掲載されましたね。
故に、誤った情報なども散見されました。
店頭でお客様とお話させていただくと、そうした情報を信じてしまっていた方もチラホラ。
今回は、711と比較する形で、714がどんな特徴を備える品番であるのかを改めてご紹介させていただきたく思います。
ディテールや採寸上の差異から、実際に着用してみての所感などもお話させていただきます。
イベント前の復習として、どうぞお付き合いください。
そもそも、何故711と714を比較するの?
端的には、比較的共通項が多いからですね。
それでいて差異はしっかりとあります。
その差異を挙げることで、714がどのような品番であるのかを浮き彫りにしていきましょう。
さて、現在リゾルトで展開される全5型は、ざっくりと以下のように分類できます。
710:スリムストレート
711:ワイドストレート
712:スリムテーパード
713:スリムストレート
714:ワイドテーパード
711と714のみがワイドにあたるわけです。
711と714の共通項というのは、大味にはこの点を指します。
一方で、711はストレート、714はテーパードという明確な差異があります。
今回のご案内の主軸はこれについてとなるでしょうね。
以上が、714の比較対象として711を持ち出した理由です。
それを踏まえて、714という品番の特徴とその魅力を明らかにしていきましょう。
ディテール
まずは前座から。
どちらもLevis(リーバイス)の501をモダナイズした品番ですが、501は年代によって異なったディテールやシルエットを備えました。
事の成り行きとして、501はその年代によって細分化され、後年、レプリカジーンズブランドが501をモダナイズした時も、やはりその年代ごとの特徴を再現する潮流が生じました。
711:503BXX(501XXのボーイズライン) 50年代
714:S501XX(大戦モデル) 40年代
こと711と714においても、やはり異なった年代のものをモダナイズし、やはり異なったディテールを備えます。
では、それぞれのディテールについて見ていきましょう。
一目に分かりやすいのはトップボタンです。
711ではブランドのロゴが刻印されたボタンを採用していますが、714では月桂樹ボタンが採用されています。
コインポケットも目を引くところです。
711ではリベットが打たれていますが、714ではリベットが打たれていません。
ベルトループの太さも違います。
711はデニムのベルトループとしては標準的な太さですが、714のものはかなり太めですね。
ここからはよくよく見なければ気付けない差異についてご紹介いたしましょう。
一部のステッチ間の幅が違います。
特に顕著なのはヒップポケットのステッチでしょう。
714の方が幅が広くとられています。
サイドステッチの長さが違います。
714の方が長いですね。
ステッチの色が違います。
714はあらゆる縫製をイエローの綿糸で行いますが、711はオレンジとイエローの綿糸を縫製箇所によって使い分けています。
僕の見つけられたディテールの差異はこの辺りでしょうか。
大まかには、714の方が大らかなディテールを備えていますね。
それもそのはず。
714のモダナイズ元である大戦モデルは、S501XXという品番を指しますが、頭文字のSは「simplified(簡略化された)」を意味します。
第二次世界大戦における物資統制下では、こうした仕様の簡略化を余儀なくされたのです。
なんていうウンチクも楽しいところですが、リゾルトはそれに比重を置いたブランドではありません。
便宜上、リゾルトをリーバイスになぞらえて解説させていただくことは多いですが、リゾルトが目指すのは日本人にとっての究極のジーパンです。
真に迫るレプリカを至上とするブランドではありません。
それを踏まえ、究極を目指す上で要となるシルエットについても見ていきましょう。
これこそがブランドの真骨頂です。
シルエット
日本人がリーバイスを穿いても、欧米人のそれと同様にはなりません。
骨格、体格がまるっきり違うからです。
リーバイスを究極とするデザイナーは、日本人にとってのリーバスを打ち出すべく、シルエットに拘り抜きました。
その一端として、今回は714と711のものをご覧いただきましょう。
どちらも美しいシルエットです。
その秘訣は小振りなヒップにあります。
リゾルトの全ての品番に共通する特徴と言えるでしょう。
欧米人よりもヒップの小さい日本人が穿いた時に、生地の余り過ぎないように予め小振りに作られています。
ここからは、714と711のシルエットを比較していきましょう。
更に、採寸値もご覧いただきましょう。
ウエスト | 股上 | ワタリ幅 | 裾幅 | |
714(W30) | 約76cm | 約29cm | 約26.5cm | 約20cm |
711(W30) | 約75cm | 約26.5cm | 約27.5cm | 約21cm |
ダメ押しで、平置きで重ねてみましょう。
ご覧いただいたように、711の方が太めです。
一方で、股上は714の方が格段に深いですね。
しかしながら、採寸値で得られる情報からフィッティングの全てを窺い知ることはできません。
改めて画像をご覧ください。
特にご注目いただきたいのは腰周りのフィッティングです。
714と711を比較すると、同サイズでありながら714の方が生地が余っています。
この余りが、ゆとりのあるフィッティングを生み出します。
どちらも所有する身として、このフィッティングの差は十分に感ずるところです。
711を窮屈に感じたことは一度もありませんが、714の方がゆとりのあるフィッティングであることに疑いはありません。
深い股上はしっかりと腰を咥え、大きくとられた腰周りは体の動きを阻害しません。
さて、シルエットをご覧いただき、着用感などをお伝えしたところで、最後にスタッフの愛用する私物をご覧いただきましょう。
スタッフ私物
色落ちの程度等も様々。
特に気負わずに穿いています。
エイジングのご参考となりますと幸いです。
711
714
それでは店頭でお待ちしております。
ありがとうございました。