BARNSTORMER(バーンストーマー)BATAAN BOYS/マッカーサーと十五人の側近たち。

マッカーサーの率いるアメリカ軍は1941年末、フィリピンのマニラからコレヒドールへ拠点を移して籠城したが、日本軍の猛攻を受けると、マッカーサー自身はごく一部の側近を連れてフィリピンから逃亡した。有名なアイ・シャル・リターンは、このときの言葉であった。そして、このあと、日本軍による「バターン死の行進」と呼ばれるものが起きる。マッカーサーの脱出劇は、本人たちが助かったものの、屈辱と汚点を残したことは間違いない。
 しかし、マッカーサーはフィリピンに再上陸した。そして、フィリピンで占領改革を実験することができた。つまり、日本占領の前にマニラである程度の予行練習をしたのである。
マッカーサーのフィリピン脱出を支えた陸軍将兵15人は、バターンボーイズと呼ばれた。

マッカーサー 中公新書 より引用

今回、BARNSTORMERの新たなる定番入りを果たしたバターンボーイズは、このようにマッカーサーを支える15人の側近をモチーフに構想。
そもそもマッカーサー元帥自体は特注で、今までアメリカ軍には珍しかった2インプリーツを、自身の制服として採用した。
部下に当たるバターンボーイズには、やはりノープリーツがしっくりくる。
パターンは全く違うが、銘品マッカーサーⅡを参考に作られた、なじみ深いようで新しい形。
元々海外向けに作られた品番は股上が深く、今回のバターンボーイズはそれに代わる、新たなるノータックの選択肢となる。
様々な要因が交差したことにより生まれたのが、この新定番バターンボーイズである。

BARNSTORMER(バーンストーマー) バターンボーイズ  ¥23,100-

マッカーサーⅡが太めの2タックなら、こちらは太めのノータック。
しっかりと股上を取ることによって、クラシックな出で立ちでありながら、ドレス仕立ての綺麗なシルエットで、日本人の体型に寄り添うようなフィット感。タックなしのフロントも相まって、よりアメリカらしい顔つきとなった。

左:バターンボーイズ 右:マッカーサーⅡ
ノータックながら腰回りはゆったりと、股上も深くクラシックに。

このバターンボーイズ制作に至り、一番苦戦したのが生地の仕上げであったと紋郎氏は語る。

「一口にウエポンといえど、マッカーサーのようにコールドマーセもあれば、古着のミリタリーチノのようなしっとりとした仕上げもある。ただ、マッカーサーの側近(=部下)という点を考えれば、あえて加工なしがすんなり腑に落ちる。最終的にオリジナルで制作したウエポンを使う事となった。」

「昔は普通にあったウエポンも、今は国内で作っている生地屋が少なく、片手で収まるほど。その中の一つはマッカーサーの生地の工場なんだけど、今回は信頼のおける生地屋と協業で制作した。」

BARNSTORMERのミリタリーシリーズの生地から、チノの染めや洗いまでを手掛ける、紋郎氏が絶大な信頼を置く生地屋さんによって仕上げられた生地感は、ミリタリーチノの武骨さと、しなやかでジャケットにも合わせられる絶妙なバランス。

持ち出しはノータックになることによって短めに。ウォッチポケットは玉縁の仕様に変更された。このアメリカを体現するようなチノは、今までの展開商品にありそうでなかったアメリカンカーキの生地色を採用した。

紋郎氏 Lサイズ着用

タックインスタイルもマッカーサーと比べても、スッキリしすぎず、ゆとりのある見た目となり、ありそうでなかった仕上がりとなりました。
ZABOUで今シーズンはフェアでの初のお披露目となっております。
改めてノープリーツの太めが気になっていた方、自分用に確保頂ける方は、是非この機会にお願いします。

良い服にはストーリーがある。大定番の派生的発想から生まれたこのバターンボーイズが、また新たにマッカーサーの隣で店頭に並ぶのも、そう遠くはない未来かも知れません。

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