週刊ZABOU「SAINT JAMES(セントジェームス)を買う前に知りたい3つのこと。」

SAINT JAMES(セントジェームス)と言えば、フレンチカジュアルの大定番。

フランスが生んだカットソーは、意識するでもなく日常の上質な普段着として既に私たちの生活にはなくてはならない存在に。

また、梅雨時期頃から長袖は少し気辛くなるため、オールシーズン活躍の長袖だけでなく、半袖Ver.も存在します。
本日は初めて買う(or 買い足す)際に気をつけたいことをまとめてみましたので、宜しければご覧くださいませ。

◎セントジェームスのバスクシャツ

ZABOUでは長らくお取り扱いさせて頂いております、定番カットソーブランドSAINT JAMES(セントジェームス)。
フランスでは<サン・ジャムス>と呼ばれるこちらのブランドは、1890年頃創業。その頃日本は明治時代。
その長い歴史から、漁師用のニットからスタートするが、その頑丈さからフランス海軍のユニフォームに認定されたり、実用性はお墨付き。

パブロ・ピカソが着用したことでも知られる(NAVAL)も人気の一型であるが、コットン製のカットソーがリゾートウェアなどとして大ブレイク。
1990年代に日本でヒットする頃には、ウエッソンという形が非常に根強い人気となった。

バスクシャツ…定義としては定まっているようで、確実なのは一つ「ボートネックであること」

これは海に落ちた時に着脱が容易であるように、首元が開いた作りとなったという説が有力。

ARAN WOOLLEN MILLS(アランウーレンミルズ)

同じく海のアイテム的位置づけでフィッシャーマンセーターなども、家庭によって様々な編み柄が存在することによって、海で遭難して引き上げられたときに、どこの家の漁師か識別できるようにという理由があるそう。
海は偉大でありながら、危険な場所という認識は、海に携わる職業ならではの認識かも知れない。

また、今回省いた定義のうち、1つはボーダー柄であるという事。もう一つが9分袖である事。

ガンジーセーターのように、作業用だから袖丈が9分丈という理由は何となくわかりますが、少なくともピカソやヘミングウェイが40~50代だったであろう1900年代前半には、半袖を着用していた資料が残っている。

きっとリアルに世に出始めた頃には長袖しかなかったのだろうが、時が経つに連れて半袖や袖なしが出てきたのであろう。
これは推測に過ぎないが、若干袖幅が広い半袖のウエッソンを見るに、先人たちがカットオフにしたのではないだろうか。

また、「ボーダー柄(正しくはホリゾンタルストライプ)でなければならない」というのは少々こじつけで、フランス海軍では下士官はボーダー柄を着るというのが当たり前で、上官は無地を着用できるという明確な決まりがあった。それ故、古着など軍放出品として出てくるバスクシャツは、圧倒的にボーダー柄が多いのである。

1.生地が二種類存在する、半袖のセントジェームス。

ZABOUで展開する半袖のセントジェームスは2種類。
長袖タイプと同じ素材のウエッソン半袖と、薄いシルクタッチなピリアック
夏用という事で、生地はピリアック一択と思いきや、意外にもそうではないです。

Saint James(セントジェームス) ウエッソン半袖「ガシガシ」  ¥11,550-

ウエッソンは生地に固さが出る分、肌に纏わり付きにくく、真夏にも着やすくなります。

厚手の生地でも、袖や身幅に余裕があるので、比較的暑くならず、肌に纏わり付かないので、ウエッソンは夏場非常に重宝します。
梅雨時期くらいになると、長袖は暑くなるので、これからの季節、丁度今から着られるのではないでしょうか。

Saint James(セントジェームス) ピリアック半袖Tシャツ  ¥8,800-

対してピリアックは滑らかな生地感となる為、肌触りも柔らか。

インナー使いにも最適なピリアックは、春、夏、秋と着るシーズンも長くなります。

個人的にはライトアウターやジャケットのインナーにも使い勝手が良いので、この時期はアンコンのジャケットや、ジャングルファティーグなどと合わせる事が多いです。

2.生地によって縮率が異なる。

ウエッソンの半袖とピリアックの半袖を比べてみましょう。

手前→私物(5ウォッシュ程)
奥→製品(未洗い)

こちらはウエッソン半袖の私物を4~5回程洗濯した物と、未洗いと比べてみました。

袖丈
着丈

ウエッソンは主に縦縮みが強く、袖丈、着丈共に約3㎝程縮みが出ておりました。
身幅はおよそ1㎝程の違いでしたので、大きくは変わりません。

手前→私物(20回程選洗濯済)
奥→製品(未洗い)

対してピリアックは縦、横共に1㎝程ずつ。
大きくはサイズが変わらず、試着時とほとんど違いを感じることが出来ませんでした。

身幅
着丈

比較的サイズ合わせが容易という事もありますが、ウエッソンと比べると少しリーズナブル。
夏場、厚手のカットソーをお召しでない方はピリアックがオススメですし、質感は大きく変わりません。

ウエッソンは洗いをかけていく内に目が詰まり、生地はガシッとした風合いに変化し、そこから更に年数を重ねると、次第に柔らかく変化していきます。

3.どちらの生地も、経年変化は楽しめる。

そんなセントジェームス。
洗って出るサイズの変化はお分かり頂けたかと思いますが、薄手も厚手も非常に丈夫です。1~2年ではへこたれません。
そうして着ていくうちに、非常に良い経年変化も見せてくれます。
まずはウエッソン半袖。

私物はまだ4~5回程しか着ておりませんので、あまり変化はありませんが、
店頭サンプルと比べると一目瞭然。綿カスを含んだような生成りも、洗いをかけていくほどに落ち着きが増し、
また紺は色抜けし、赤みが出て参ります。
ボーダーは比較的色味の変化はまだ出にくいですが、それでも自分だけが分かる微妙な変化が良いではありませんか。

一番色味の変化が分かりやすいのがネイビーです。
こちらは長袖ですが、半袖も同じくの生地ですので、参考になれば幸いです。

毛羽立ちがありながらも、全体的に淡く退色していくピリアックは、ウエッソンとは一味違った雰囲気に。

少し杢っぽい雰囲気に変化していきます。



改めてご紹介させて頂いた夏用SAINT JAMES。生地の違い、縮率、経年変化。
この3つの事を覚えておけば、失敗しないと思います。
基本的に丈夫なカットソーなので、再々買い替える必要はありませんが、やはり定番ならではの安心感のあるアイテムですので、色違いも欲しくなるはず。
耐久性もあり、味の出るアイテムですので、お持ちの方は引き続きお楽しみ頂き、まだお持ちではない方は、是非お試し頂けると幸いです。

この記事を書いた人