週刊ZABOU 「MOONCASTLE(ムーンキャッスル)ICECOTTON 第一便。」

ようやく寒い冬が過ぎ、ここ数日は春の陽気を感じられるようにまでなりました。

さて、MOONCASTLE(ムーンキャッスル)の月城ニットさんとのお取組みが始まり2年が経ちました。
お話しや生産を間近に見る事で、お客様へのご紹介であったり、商品の説明をより細かくお伝えする事が出来ると考え、今年で三回目の訪問となります。

本当に魅力的な生産背景。この町の自然やここで生まれる製品をもっと知って欲しいと行く度に思ってしまいます。
今回は春夏の新作や秋冬の取り組み、ニットを生産する上での糸のお話などを交えてご紹介しようと思います。

MOONCASTLE(ムーンキャッスル)

大阪の港町”岬町”。半世紀以上ニットを生産し続ける老舗の工場が送るメンズライン「MOON CASTLE」です。丁寧な作りと、ファクトリーブランドだからこそ出来るコストパフォーマンスが魅力です。

元々はレディースのOEMなどを手掛けるニット工場でしたが、コロナ禍をきっかけに自社のメンズラインを始動。
中でもアイスコットンを中心とした夏素材ニットが反響を呼び、現在ではメンズのみの生産に切り替わるなど、状況は2年前と比べて一変していました。

国内のみでの取引は、現在では海外(主にタイ・香港)のショップでも取引が始まり、世界的に有名となった日本の製品。ニットも同じく世界中で愛されています。

そんな月城ニット、現在は夏物の生産で工場もフル稼働でした。

ICE COTTON(アイスコットン)とは…

スイスの老舗糸紡績会社、スポエリー社が生み出した綿糸です。通常の綿糸の場合、糸に存在する「毛羽」が空気層を作り保温性をもたらしますが、超強撚糸(通常よりも強く撚った糸のこと)であるスポエリーアイスコットンは毛羽を限りなく抑制することで、空気層をなくし、それが接触冷感機能をもたらします。
日本の蒸し暑い夏も涼しく乗り切ることができます。

着心地としてはこの上なく良い素材であるアイスコットンも、製品になるまでは実に多くの段階を踏まないとなりません。

糸によってのばらつきを極力少なくする、糸切れを起きないようにロウ引き、巻き直しを行います。

この段階で糸の滑りを良くすることにより、後の生産がスムーズに。

12Gの機械を使用して編みたてていきます。

編地として出てきたアイスコットンのボディ。
実はこの段階ではレースのように透け感があります。
これに洗いをかけていき、隙間を無くしていきます。


洗いをかけてプレスし、このあとリンキング(縫い合わせ)や縫製、仕上げプレス、検品にかけていきます。


そうして仕上がったアイスコットンシリーズに新作が登場。

 ICE COTTON LONG POLONECK

MOONCASTLE(ムーンキャッスル) ICE COTTON LONG POLONECK  ¥12,100-

春夏に定番で展開する半袖のニットポロ。お客様のお声も多かったニットポロの長袖を今季より展開致します。
本来手に取り辛いアイテムの代表格(というよりかは作っているメーカーさんが極端に少ない)長袖のニットポロ。
インポートではお馴染みでも、近年の時世による値上がりでは、いよいよ手が届かなくなって参りました。

ニットはシャツやカットソーのように、定番的アイテムであると同時に、カラーバリエーションを揃えたい。
ファクトリーブランドでありながら、歴史の長いMOONCASTLEだからこそ出来る製品です。

勿論価格だけでなく、ボタンを留めた時に見え方であったり、テンションがきつ過ぎないリブ使い、着たときの全体のバランスなどをみても、やはり老舗ニット工場ならではの拘りを体感できます。

重ね着をした際(特に襟のあるアウターと合わせる際にも)に気になるのがニットの襟元。
MOONCASTLEのそれは、品の良い襟の大きさながら、そこまで主張する事のない合わせやすいバランスとなっております。

カジュアルに持ってくるだけで、コーディネートに品の良さが際立つ逸品。
そんなアイテムだからこそ、着る人のスタイルによって様々な見え方をしてくれます。

少しゆったり目のサイズ選びで、サマーウールのトラウザー、足元は革靴で引き締めるだけで、大人の休日のコーディネートを各段に良いものに。

もちロンジャケットのインナーにも。
シャツ程畏まらず、Tシャツよりも品のある仕上がりに。

この春夏にとっておきの大人なアイテムです。

勿論、カーディガンやクルーネックも昨年同様にご用意ございます。
カジュアルにもドレスにも、今お探しの方が多いオンオフ兼用にピッタリのトップスではないでしょうか?

MOONCASTLE(ムーンキャッスル) ICE COTTON CARDIGAN ¥13,750-
MOONCASTLE(ムーンキャッスル) ICE COTTON LONG CREWNECK   ¥11,000-

現在工場は夏物の半袖を生産中。
まだ冬のうちから生産していますが、それでも毎年数が足りない事が毎年の流れ。
特に長袖ものは半袖に比べても数が少ないとの事なのでお早めに。

そして最後になりますが、来期の冬の企画も少し見せてもらえました。
ハイゲージからのスタートのブランドも、昨年のヘビーウェイトシリーズがご好評頂き、7Gのミドルゲージシリーズに新型が登場。

ブランド初となるニットベスト。所謂スーツの下に重ねるベストではなく、厚みのある7Gのメリノウールを、ゆったりと、アームにもゆとりを持たせたデザイン。浅めのVがシャツだけでなくクルーネックやハイネックとの組み合わせと想像が膨らみます。

こちらはラフィ―コットンを使用したデニムニット。
デニムではありますが、インディゴ染料を使用していない為、色落ちはしません。
こちらを畦編みに仕立てた7Gのシンプルなニットを企画中との事。こちらも合いの時期に活躍しそうです。



今までニットは冬のイメージがどうしてもありましたが、春夏にカジュアルな服装に合わせるニットを探していたところ目にしたサマーニット。
そこから展開が始まり、年々お客様が増えていくのは大変ありがたい事です。
日本にあるニットファクトリーは年々減少にありますが、そんな中知恵と行動で頑張っている工場はここにもあります。
MADE IN OSAKAという誇りが、世界中に広がっていく。その一部分にZABOUが関われている事に、喜びを感じます。

日本の四季を感じられるニットを、まずは春からお楽しみください。

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