週刊ZABOU「セーター図鑑」

今季は昨年に比べて遥かにたくさんのラインナップからお選びいただけます「ニット」。
カットソーより上品で、温かくて伸縮性が高い。
ときにヘビーゲージで、ときにTシャツ感覚でライトウェイトに。
あぁニットって素晴らしい。。。

そんなたくさんのニットから、ピックアップしたZABOUのニットを、本日はご紹介します。

そもそもニットって?

ニットとは、糸をループさせ編んだ生地(編地)の事。
ニット地の~といったように、帽子や靴下、トップスの事を言います。
その中でもトップス限定でセーターと呼びます。

ニットでも手編みのものも存在しますが、現代ではニットマシンを用いられる事が多いです。

ニットとカットソーの違いですが、カットソーが一度生地として完成したものを、裁断し縫い合わせるのに対し
ニットは糸をニットマシンなどで編みこみ、形成することによってある程度パーツが少なく済むといった点が挙げられます。

梳毛と紡毛

ニットに用いられる糸には二種類が存在し、共に梳毛、紡毛と呼ばれます。
梳毛とは糸にコーミングといった加工を施し、繊維の太さ、向きを均一にすることによって形成された糸の事を指します。
これによって編地になった時に光沢感が生まれ、太さを抑えられるのでハイゲージニットなどに向いています(例:MOONCASTLEのウォッシャブルウール、Rinascenteのキャッシュウールなど)。

反対に紡毛は糸に加工を施さず、繊維が不均一。ふくらみが生まれることによって温かみが生まれ、THE セーターといった見た目になっていることが多いです。(例:HARLEY OF SCOTLANDのシェトランドウールなど)。 

それぞれに良さがありますので、お手持ちの洋服などのバランスに合わせてお選びいただくのが良いかなと思います。


ニットに使われる用語集

ゲージ…ニットマシンの密度を指す用語。1インチ(2.54㎝)のゲージの中に編み針が何本あるかを表した指標。基本的に数が多いほど糸は細く、逆に少ない程一本の糸が太くなります。5G以下はローゲージ、7~10Gはミドルゲージ、12G以上はハイゲージと呼ばれる。ちなみに海外のニットと日本のニットではゲージの規格が変わってくることがあり、JOHN SMEDLEYなどの30G→日本の15G程といった具合で、独自の規格を持つことがある。

リブ…袖や裾などに使われる部分。ゴム糸などを使用し、要所要所を絞る(締める)役割がある。また、このような副資材の他にもリブ編みと呼ばれる編み方も存在する。これは伸縮性に富んだ編み方で、畦編み(ANDERSENのセーターなど)などもリブ編みの一種。

ホールガーメント…ニット(ここではセーター)の脇下部分に縫い目のこない手法。特殊な機械を要するので、絶対数は少なくなる。縫い目が体に触れないのでストレスは少なく、着心地も向上する。

リンキング…本来縫合する部分を編み合わせる手法。リンキングマシンといった特殊な機械を要する。首回りなど直接肌に触れる部分にはこのリンキングを用いられることが多い。

度目…ニット地の密度(目のつまり具合)を表す用語。粗く、目が大きい事を度甘。密度がしっかりと詰まっており、目が小さい事を度詰めという。

撚糸…名前の通り、糸に撚りをかける事。ストレートな糸よりも強度に優れ、毛玉が出来にくく、縮みも少ないというニットに関しては良い事尽くしの加工方法。

上記を踏まえて、今期ZABOUで展開するセーターをご覧頂ければ、自ずと自分に合ったニットが見つかるのではないでしょうか?

Rinascente(リナシェンテ) CASHWOOL

お馴染みJOBS NECK(沼ネック)の先駆けRINASCENTE。
今季は12Gと7Gを展開。先にご紹介済みの12Gはジャケットのイン、更にシャツのインなどにも向いており、
ネックの高さに定評のあるシリーズ。
使用されるCASH WOOLは世界の梳毛の中でもトップクラスの伊ゼニアバルファ社によるもの。
この糸を大量にストック、また別注色も多数揃えることで、高品質かつ低価格にて提供することが出来る。

Rinascente(リナシェンテ) CASHWOOL ヌマネック(7G)  ¥17,380- 後日掲載予定

7Gのミドルゲージシリーズが登場。色彩豊かで発色の良さに定評のあるCASH WOOLだからこそ、今期も色展開豊富に揃えております。
ミドルゲージながら梳毛の品の良さから、探しても中々見つからない厚みと品の良さを兼ね備えた人気シリーズ。
モチっとした質感と、スウェットのような手軽さ、チクチク感は皆無です。
また、繊維を細く仕上げて撚糸にしているので毛玉が出来にくいのも魅力の一つ。

カラー展開が豊富なRinascenteのニットの中でも、一番カラー展開の多い7G JOBS NECK。
絞りに絞ってこの色数。
12Gシリーズとも絶妙に色被りしないように展開しております。

また、12Gと7Gではリブなどの副資材も変わっており、
7Gの方がカジュアルな見え方をしてくれます。

ネック周りも7Gの方がふっくらとした厚みが出ております。
12Gはジャケットのインナーなどに、7Gはコートなどのヘビーアウターのインナーに。
そういった選び方もまた良いのでは?と思います。

Rinascente(リナシェンテ)  アランヌマネック(7G) ¥38,500- 後日掲載予定

そして、今季JOBSシリーズに新登場した3つ杢アランJOBS。
アランニットのようなケーブル編みになったJOBS NECK。7Gです。
こちらは全面全てがケーブル編みとなった、Rinascenteの渾身の一作。
通常、前だけ、後ろだけなど部分部分で使われることがあるアラン編み。
高級素材キャッシュウールをふんだんに、コスト度外視で作られたこちらは、Rinascenteだからこそ出来た代物です。


それだけなく、3本別々の色のCASH WOOLを撚り、杢に仕上げることにより、7Gのミドルゲージながら、ローゲージのような厚みが生まれ、強度も増した。3色の糸同士が混じり合い、色に奥行きが生まれる。色の選定には古くから、デザインニットを作ってきた色のスペシャリストが携わっていることもあり、正にニットとしてのアート。他にはない配色が楽しめる。

本来、アランセーターはとても重たい印象ですが、この三つ杢アランヌマは軽量なのも魅力的。
上質なメリノウールにだけ許された特権を是非肌で確かめてください。

MOONCASTLE(ムーンキャッスル)ウォッシャブルメリノウール

MOONCASTLE(ムーンキャッスル)  ウールクルーネックセーター  ¥9,900- 後日掲載予定

オーストラリア産メリノウールに、糸の段階で洗いをかけ、編地になった後にも洗いをかけ、極限まで縮みを抑えたウールを使用。昨年も好評だったクルーネックタイプに加え、今期はカーディガンタイプもご用意。

まぁ何といっても、価格がこなれています。
ファクトリーブランドならではの価格設定。
一着目のニットとしても、本当によくできた代物だと思います。

MOONCASTLE(ムーンキャッスル)  WOOL CARDIGAN  ¥12,650- 後日掲載予定

アイスコットンからウールになることによって、季節感だけでなく品の良さもプラスされた一着に仕上がっております。
サイズ感はアイスコットンと同じく小さめになりますので、普段のニットよりもワンサイズ大き目をお勧めします。
秋口のアウターとしても優秀ですが、冬場はジャケットやコートのインナーとしてもお勧めしたい12Gになりますので、かなり長い時期着られる。洗濯もイージーとくれば出番は増えそうです。

また、オススメしているニット×ニットのアンサンブルスタイルもお楽しみ頂けるように、カーディガンとクルーネックは同色でオーダー。
冬場の大人の粋です。

Harley of Scotland (ハーレーオブスコットランド)シェットランドセーター

Harley of Scotland (ハーレーオブスコットランド)シェットランドセーター  ¥16,500- 新色は後日掲載予定

お馴染みハーレーのシェトランドニット。
今期もドドンと色数豊富に揃えております。
ミドルゲージのシェトランドウール。寒い地域(スコットランド)にて飼育された羊、副食に海藻などを食べさせることによって、とても柔らかい毛質に育ったウールを使用しております。
また、発色も柔らかく、ビビッドな色目でもどこか懐かしさのある優しい色合いで表現されております。

サイズ感はシャツの上に着ても、長袖のインナーの上に着ても良いクラシックフィット。ダボっともタイトでもない、昔ながらのシェトランドセーターのサイズ感。
その為様々な服装にも応用が効き、テーラードジャケットから冬場のヘビーアウターのインナー、厚みはなくとも保温性は高いので、どんな服装にもマッチしてくれます。

これだけ色数豊富なセーターはZABOUにはありません。
それは長年展開していく中で、柔らかな配色が差し色にもベーシックにも対応できるためです。
ですが、迷ったらオートミルク、シルバーをお勧めします。

Harley of Scotland (ハーレーオブスコットランド)シェットランドセーター シルバー  ¥16,500-

特にシェトランドセーターを代表するシルバーは、柔らかな銀色。灰色でもなければメタリックでもない。シェトランドセーター特有の色合いですので、まずはこの一着。そこからの派生で、毎年一枚ずつ買い足されるのが良いのでは。

Harley of Scotland (ハーレーオブスコットランド)シェットランドセーター オートミルク  ¥16,500-

こちらのニットは紡毛。保温性が高く、暖かみがある反面、実際半袖の上などから被った際はチクッとします(長袖のインナーでしたら全く問題はありませんが)。
オートミルクはほぼ染織を行っていない原毛に近い色合い。ですので、チクチク感も幾分抑えられております。
この二色がシェトランドセーターを語る上でなくてはならない存在かと思われます。

ANDERSEN-ANDERSEN(アンデルセンアンデルセン)

ANDERSEN-ANDERSEN(アンデルセンアンデルセン)THE NAVY CREW NECK  ¥49,500-

度詰めニットの代表格、NAVY CREWNECK。
ガンジーセーターからインスパイアされた前後対称な襟元。
一時期は日本では手に入らないのではないかと心配されておりましたが、今期も無事入荷。
数は少ないですので、狙っていた方はお早めに。


前後対称の作りは、明け方、船上でもさっと着られるようにと考えられた設計です。
また、こちらは5Gに糸をこれでもかというくらい度詰めにしたガッチガチのニット。
育てるニットですが、素材をメリノウールにすることでどこか鈍い光沢が生まれて、質量と見た目の品の良さを兼ね備えた正に一生モノのニットです。

袖はターンナップ仕様。
元に戻せば手袋にもなるという優れもの。
アウターの袖口から覗かせるのもお勧めです。

定番のネイビーも変わらずカッコよくてオススメですが、
今季の新色のこちらは糸に染色を施さない原毛を使用している為、ガチガチに編みこまれていても優しく、英国的テイストも味わえ、若干ウェイトもいくらか軽いです。


今年は例年に比べて、更に種類を増やしたセーターのご提案。
これだけの種類のセーターをご覧頂けるショップは、中々珍しいかと思います。
スウェットより品よく、カットソーより上品。
冬のセーター姿は、男子だけでなく女子にも好印象を与えてくれます。
そんなあなたにピッタリのセーターを探してみませんか?

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