週刊ZABOU「原点にして頂点。LVCの501/1944と1955」

誰しもが見たことのある赤地のロゴ。
そしてファッションに興味を持った人なら、誰しもが憧れる存在。

ジーンズという作業着からファッションへと変移していったアイテムの歴史を一番に感じる事が出来るのがLevi’sだと思う。

1853年、時はゴールドラッシュ。
小さな雑貨店、「Levi’s」をオープンさせたLevi Strauss氏は、今後100年以上ジーンズを発明し、頂点に君臨する事を想像出来ただろうか。

いくつもの奇跡が重なり、1850年代後半にはすべてのジーンズの原点「501」というナンバーが完成した頃には、現代におけるジーンズの全ての基本性能が備わっていたことになる。

そんな名作501、いくつかの時代を経て、その姿を変化させていった事も興味深い。
染織、生地、パーツ、縫製、そして歴史にまで拘ったプレミアムライン「LEVI’S VINTAGE CLOTHING(リーバイスヴィンテージクロージング)」は、2018年にその歴史を一度閉じるも、日本製リーバイスを生産していた過去のあるカイハラデニムとの協業により、以前より再現度の高い当時の生地を復刻させて見せた。

そんなLVCよりZABOUでは二型をセレクト。
既に店頭では待ち望んでいた方を中心にお買い上げいただいている。

「ヴィンテージやデッドストックも好きですが、精巧なまでに再現されたLVCは魅力的です!」

大阪店きってのLevi’s好きのスタッフが、既に2本とも購入済。その魅力について聞いてみた。

「リジッドデニムなので、洗って縮めてという手間はかかります。LVCの場合、普段サイズ30を着用の場合、32を購入する必要があります。当時と同じように縮みが前提といった考えで無いのも面白いですよね。お風呂に穿いたまま入ったり、お湯につけて乾燥機で縮めたりと、そういった過程も楽しめるところが、このLVCの良さでもあります。」

「今回僕は先に501の1944モデル(所謂大戦モデル)から穿きましたが、1955も違った良さがあります。
モデルごとに見ていきたいと思います。」

LEVI’S VINTAGE CLOTHING(リーバイス ヴィンテージ クロージング) 1944モデル 501® JEANS RIGID

LEVI’S VINTAGE CLOTHING(リーバイス ヴィンテージ クロージング) 1944モデル 501® JEANS RIGID  ¥30,800-

第二次世界大戦中の1940年代前半、戦争への物資確保の為多くの企業に戦時製品監督局により監査が入る。
Levi’sも例外ではなく、ボタンやリベット、スレーキなど、それまで当たり前のように使っていた資材を簡略化した。
製品においてマイナスの要素しかない、この大戦モデルはこれまでのどの501に比べても、無駄を省いた裸のままの501となっている。
むしろ極限まで省けるものを省いた形こそ、究極の501とも呼べるだろう。

その証拠にパッチにはSimplified(簡略化された)の意味のSが記されている。

そんな状況に置いて、せめて生地だけは丈夫なものを。という思いの元
この大戦モデル専用の生地が採用される。
やや厚手のこの生地は、縦落ちの強いヴィンテージならではの風合いを感じることが出来る。
さらったシャツ一枚で合わせたとしても、このデニム特有の存在感が容易に感じられるであろう。

着用後一年経過。

本並「股上深くてやや細め。股上が深いので安心感がありますね。ローファーにニットなどドレスっぽい雰囲気でもしっかりとハマってくれます。

サンフォライズドの生地ではないですが、毛羽立ちがない生地なので少し見え方が綺麗。」

「ジーンズという作業着から始まったパンツが、40年代にはこれだけ今のファッションシーンでも通用するシルエットだったことが驚きです。」

●ニット MOONCASTLE(ムーンキャッスル) サイズ:XL ¥9,350-
●パンツ LEVI’S VINTAGE CLOTHING(リーバイス ヴィンテージ クロージング) サイズ33×34  ¥30,800-
●シューズ G.H.BASS(ジーエイチ・バス) サイズUS11 ¥22,000-
モデル 身長185㎝ 体重72㎏ 足サイズ約29㎝

「続いては最近購入した1955モデルです。」

LEVI’S VINTAGE CLOTHING(リーバイス ヴィンテージ クロージング) 1955モデル 501® JEANS RIGID

LEVI’S VINTAGE CLOTHING(リーバイス ヴィンテージ クロージング) 1955モデル 501® JEANS RIGID  ¥30,800-

所謂ワークウェアとしての最後の年代。1950年代の501XX。
生地は毛羽のしっかり効いた厚みのあるデニム。

しっかりと育てがいのある生地感は、デイリーカジュアルにしっかりと馴染む色落ちが期待できそうです。

ジーパンらしいしっかりと太さのあるシルエットは、革靴からスニーカーまで様々なシューズとの合わせが容易で、流行り廃りのない普遍的な形。

●シャツ 私物
●ベスト 私物
●パンツ LEVI’S VINTAGE CLOTHING(リーバイス ヴィンテージ クロージング) サイズ33×34  ¥30,800-
●シューズ 私物
モデル 身長185㎝ 体重72㎏ 足サイズ約29㎝

「今回新調したのがこちらの1955XX。太目で毛羽立ちのある生地感がtheジーパンと言った感じ。ゴツイのやブーツと合わせたい。」

「作業着としての最後のジーンズは、それ以降ファッションアイテムとしての地位を確立していきます。
そんな良い意味で野暮ったさの残るXXは、様々なスタイルに馴染んで、ジーンズらしさを存分に楽しんで頂けますよ。」



リジッドデニムを1から身体に馴染ませる。
脈々と受け継がれる、デニムの王様を日本の技術を持ってして現代に蘇らされた逸品です。

洋服の好みが人それぞれあるように、デニムの組み合わせも無限です。

良い意味でクセのない、その人のファッションを引き出してくれるのはLevi’sならでは。

世界最高峰のデニムを是非。

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