週刊ZABOU「熟成ニット/RINASCENTEのCASHWOOLセーター」②

前回ご紹介させて頂きました、大阪発のニットブランド「Rinascente」。
既にお持ちの方は、そのシルエットの良さと、最高の肌触りをご体感頂けているのではないでしょうか?

今回は、この秋冬展開中のモデルについて、Rinascente企画・営業をされている渡邊さんにお話しをお聞きしました。

—まず今回展開しております3型に共通する特徴を教えてください。

渡邊「CASH WOOLシリーズは基本的にホールガーメント(脇線のつなぎなし)での展開となります。作れる工場が限られる為コストはかかりますが、つなぎ目が少なく着心地が良い。CASHWOOLの素材感を存分にお楽しみ頂けます。」

—なるほど。前回お話し頂いた糸をたくさん持ち、ストックする代わりに、デザインに還元しているのですね。ラインナップのご紹介をお願いします。

CASHWOOL ヌマネック(12G)

Rinascente(リナシェンテ) CASHWOOL ヌマネック(12G)  ¥16,280- 

渡邊「まずはこちら。12Gデザインニットシリーズより、ミドルネックシリーズ。沼ネックと名付けました。クセがありそうで意外と汎用性が高い。ジャケットスタイルに、カジュアルスタイルにも両方着られるのでオススメです。」

沼ネック製作秘話。Rinascenteを扱うお店のスタッフ間で中毒性があり、「このネック、、、沼ですね」という一言を頂いたそう。

—襟元の特徴的な立ち上がり。これが沼ですか。。。ハイゲージのニットには見ないネックまわりですね。インナーは何を着ればよいでしょう?

渡邊「中にシャツを着るのもオススメです。クルーネックより襟が高く、モックネックよりも浅い。絶妙な襟丈で、他にはないデザインです。シルエットはややゆったりシルエットで、12Gの生地感も相まって、ドレープが綺麗に出ます。」

渡邊「元々は父親の持っていた古いアメリカ製のクルーネックセーターから着想を得ました。わざとそうしているのか、そうなってしまったのか分からないですが、ネックが立ち上がっていたのです。それを再現して作ったのが始まり。最初はシャツをインナーにしたコーディネートを提案していましたが、そのまま着た時の絶妙な高さが気に入り、個人的に好きという理由だけで展開を増やしました(笑)」

—確かに展開色の多さにも意気込みを感じました(笑)

渡邊「首にバンダナやスカーフを巻くことが多くて、そのようなスタイルの際も丁度良いチラ見せ具合だったりして、オススメです。」

—確かに巻物を巻いたときのチラ見せ具合が絶妙ですね。襟も立ち上がって見えますし。

CASHWOOL ヌマネック(7G)

Rinascente(リナシェンテ) CASHWOOL ヌマネック(7G)  ¥17,380-

渡邊「7Gの沼ネックシリーズ。CASH WOOLのふくらみというか、肌触りの良さを存分に味わって頂けるかと思います。こちらは12Gとは違う工場で生産しています。うちの強みとして、物づくりを共にしている工場が多いため、様々なゲージのニットが作れます。」

—ふわっふわで肌触り最高ですね(笑)確かに機械が1種類だけだと、同じような厚みの物しか作れませんもんね。

渡邊「はい、そこが私たちのようなニットメーカーの強みだと思います。」

渡邊「7Gは12Gと比べてカジュアルな印象が強いと思います。実は梳毛のニットで、7Gというのがありそうでない厚みです。少し甘めに編んでいるので程良く厚みがありながらも、軽くてジャケットのインナーとしても扱えるのが良いですね。」

渡邊「カラーバリエーションが多くて、幅広いコーディネートに使えるので、ファーストリナシェンテに特にオススメな一点です。」

渡邊さん曰く、メランジの糸の物ほど糸単体で値段が上がるという。
「単色よりも値段が上がりますが、うちはそこは変えずにやっています。メランジの方が肌触りも柔らかくなります。」
左:7G 右12G

—比べてみると厚みが全然違いますね。肌触りも12Gは本当にハイゲージって感じがしますが、7Gはしっかりとニットらしい?厚みがあるように感じます。

渡邊「実は12Gの方もハイゲージの中では厚手なのです。丁度良い塩梅というか、薄く仕上がっているけどしっかり温かいんです。」

—これは悩まれるお客様も多いでしょうね(笑)

 CASHWOOL クルーネック(12G)リラックスフィット

CASHWOOL クルーネック(12G)  ¥17,380-

渡邊「12Gのリラックスフィットのクルーネック。
昨年、緩めのサイズ感の流れのある中で作ったモデルです。緩めと言いながらも極端に大きくはしていないので、着やすいサイズ感かと思います。ロンTやスウェットのように見えて、実はニット。細身のパンツと合わせると色気が出て、太めのパンツと合わせると、良い意味で男臭く着こなせる、大人カジュアルに持ってこいのデザインです。」

—この緩さが何とも言えないんですよね。土台が素材やパーツ使いがしっかりしている分、サイズ感が大きくなっても崩れすぎないというか、、。オーバーサイズではない大人のリラックス感が良いですよね。

ジャストサイズで着用の場合、少し肩の落ちるデザインに。

渡邊「この色味もまた絶妙で良いんですよ。ブリックと言うカラー。差し色にもなりますが、深みのある色というか。」

近日入荷予定商品

ここからは近日入荷商品です。
もう少し先にはなりますが、こちらもオススメの商品ですので、宜しければご覧ください。

オリジナル3つ杢シリーズ

CASHWOOL タートルネック(7G)3色杢  ¥27,500-

渡邊「自社でストックしている180色のキャッシュウールの中から、3色選んで再撚糸した完全オリジナルの3つ杢です。」

—そんなに色数あるんですか(笑)これって単色の糸ではないですよね?

渡邊「はい、実はメランジ糸を3色使用しているので、単色×3よりも色んな色が見えてきます。ですので深い色味で、より厚みが出てふわっとした素材感。かなり温かいです。」

渡邊「デザインはタートルネックで真冬仕様です。ただ厚みがかなりあるので、ジャケットよりかはコートのインナーとしての扱いがお薦めです。」

—遠目で見ると無地ですが、様々な色の糸が混ざり合って、深い色に見えます。とても贅沢な逸品ですね。

ミラノリブニットジャケット

ミラノリブニットジャケット  ¥31,900- (近日入荷予定)

渡邊「素材にはミラノリブ専用に開発された糸を使用しております。ウールにアクリルを入れる事により、素材自体に張りを持たせる事で程よくかっちりした雰囲気を表現出来ました。ミラノリブ自体は伸びにくい組織ですが、ニットなので多少伸びるため着心地も良いです。」

—アクリル混のニットって、毛玉がよく出来るイメージですが、その辺りは如何でしょう?


渡邊「その辺りも考えて、素材に抗ピル加工が施されているので毛玉出来にくいため長くご使用頂けます。」

—なるほど。これならジャケットとしても長く着れますね。またカーディガンとしても使えそうな、丁度良い空気感ですね。

渡邊「ジャケット型はたまに作るのですが、今までで一番ジャケットに寄せたデザインです。あまり見かけない4ボタンで。元ネタは数年前に作ったニットジャケット。パターンを見直し、デザインに合わせて金のボタンに仕上げています。」

渡邊「ミラノリブがガシッとした糸目で、より綺麗な印象を持たせてくれます。アームは細めの作りなので、野暮ったくならないのもポイントです。袖まくりしたり、折り返して着るのもオススメ。ラフに着れて綺麗目にも見えるこの秋イチオシのジャケットが誕生しました。」

渡邊「ボックスシルエットに近い印象ですが、実は裾にかけて絶妙に削っている分、ボタンを外した際に広がらずに着れて、綺麗に見えます。」

—当たり前ですが、沼ネックとの合わせもめちゃめちゃ決まりますね。

「そうですね。このジャケットに限らずですが、沼ネックの高さだと直接ジャケットの首回りに触れないので、ジャケットが傷みにくいというのもポイントです。」




渡邊さん、ありがとうございました。

如何でしたでしょうか?Rinascente(リナシェンテ)のニットの素晴らしさはパターンや作りの良さもさることながら、
肌触りの良さ、素材感が半端じゃない。
様々な国のニットをお試しになられた方も、こちらはご満足頂けるのではないでしょうか。
正に灯台下暗し。こんなに近くに極上の普段着としてのニットを作る会社があったとは。

様々なお客様にお試し頂きたく思います。
まずは店頭にて触って頂き体感してみてください。
そしてご来店が難しい場合はお気軽にお問合せを。こちらのニットの良さを是非お話しさせてください。

冬の定番トップスとして、Rinascenteのニットをお薦めさせて頂きます。

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