フランスの国鳥である鶏をロゴに配した、伝統的なワークウェアブランド「LE TRAVAILLEUR GALLICE(ル・トラヴァイユール・ガリス)」。
1895年創業のモールスキンを使うブランドの中では、1,2を争う古参メーカーです。
他メーカーが生産を他国に移す中で、生地の手配、染色、縫製に至るまでをフランス本国で一貫して行う本気っぷり。
私たちがガリスを扱う理由は、ここにあります。
打ち込みの良いモールスキンは光沢があり、着込むほどに味わいが増して参りますし、何より丈夫です。
アメリカにおいてデニムがワークウェアに使われますが、フランスはこのモールスキンが当時からワークウェアの主流でした。
前述のとおり、他メーカーが海外に生産を移すのには理由があり、
フランス製の昔ながらの生地は、とてもコストがかかってしまうもの。
値段と物のバランスが取れなくなるのです。
加えてこのモールスキンという生地は、上手く流通しないという理由もあって、現代の作業着にはほとんど使われていません。
ガリスのモールスキンジャケットは 「BLEU DE TRAVAIL」 という特別なラインのもので、フランスの伝統的なこの生地を
後世に残すべくして、老舗生地屋さんとタッグを組み、現在日本に入ってきています。
フランスのモールスキンは、イギリスのモールスキンの様に起毛感はなく、初めはツルっとした生地は、着込み、洗いを施す毎に、美しい経年変化をして参ります。
LA VESTE BLEU DE TRAVAIL
中でもこの「BLEU DE TRAVAIL」 というレーベルの直訳は「ワークのブルー」。フランスのワークウェアと言えばこの赤みがかったブルーなのです。
ヨーロッパの水は硬水。水質が硬くて、染色の関係でネイビーブルーのような青みの強いブルーにはならないのです。
同じくフランスのSAINT JAMESのウエッソンなどのマリン(ネイビー)をお持ちの方は見てみてください。
着込んでいくと、赤みが強く出ているでしょう。
こちらのモールスキンは着ていく毎に徐々に赤みが抜けていき、最終的にはサックスブルーのような青になっていくため、その過程も楽しめます。
なので、少し赤みがかったブルーに、最初は抵抗があるかも知れませんが、しっかり着て洗っていって下さい。
LA VESTE NOIR FONCE
同じくモールスキンのブラック。
こちらはヴィンテージでも少なくなってきている為、程度の良い中古に出会うことは困難。
だったら、当時と同じ製法で作られる黒いモールスキンを育てるのが良いでしょう。
色味の変化はブルーと比べて弱く感じられるかも知れませんが、その分ステッチワークやパッカリングが非常によく目立つ退色を楽しめます。
黒が人気の理由はそこにあるかも知れません。
このガリスのモールスキンジャケットは色味だけでなく、
フランスのモールスキンジャケットの最初期のディテールを採用しております。
ポケットです。
所謂Vヘムと呼ばれる、ポケットの上から補強布を当てられて、このような形になるのですが
そのあと数年で仕様変更されます。理由は手間とコストがかかってしまうから。本来は1つのパーツで済むはずが、2つも縫い付けないといけません。ですが、こうすることによって丈夫になり、ワークウェアとしての本来の意味を成します。
台襟の入らない襟元ですが、モールスキンの特性上簡単にペタッとなることがなく、
しっかりと高さもあるので首元を綺麗に見せてくれます。
比較的小さなものが多い中、これだけしっかりした襟元のカバーオールはヴィンテージでも珍しく、大事な部分だと思います。
LE VESTON NOIR FONCE
こちらは新型「LE VESTON」。テーラード襟のジャケットタイプとなります。
アームは少し太めですが、 身幅広めで着丈短めなこのバランスが、ゆったり着るには最適なサイズ感。
なのでこちらはサイズ1からの展開です。
カバーオールとは一線を画した、よりシックな見た目は
シャツは勿論、セントジェームスなんかと合わせてもラフにならないアイテムです。
・
・
・
さて、本場フランスで今尚作られるワークジャケット。
年々ヴィンテージも高騰していく中で、気軽に羽織れて、ガシガシ着込める、本来のワークジャケットとしての役割を果たすならば、
こちらのガリスは、新品の状態から長くお楽しみ頂けるかと思います。
数に限りがございまして、現在では中々入手しにくくなっている昨今、お早目の決断が吉かと思われます。
是非一度袖を通して見て下さい。
きっと気に入って頂けますよ。