週刊ZABOU「紡毛の沼/Rinascente(リナシェンテ)12G紡毛沼ネック」

ご存知Rinascente(リナシェンテ)より、真打登場。
入荷の落ち着くこの時期だからこそ、一際の存在感を漂わせます。

Rinascente(リナシェンテ) 紡毛 沼ネック(12G) 

Rinascente(リナシェンテ) 紡毛 沼ネック(12G) 

これまで多くのお客様を沼に引きずり込んできた沼ネック。
此度の沼は一層深いことを、袖を通した瞬間に感じました。

そのミソは“紡毛”にあり。

かねてより定番として展開していた沼ネックは梳毛でした。

梳毛とは、毛を櫛で梳いて繊維の方向を均一に揃えるコーミングが施された毛を指します。
均一な繊維質が、光沢と滑らかな肌触りを実現するのです。
梳毛の沼ネックは、もとよりシルクのような光沢を備えるキャッシュウールとのシナジーで以て、非常に上品な光沢を感じさせました。

対する紡毛とは、コーミングを施していないもの。
繊維が不均一なために糸が膨らみ、高い保温性と軽さを発揮します。
一方で、糸が膨らむために細番手の糸には向かず、また、不均一な繊維が所謂「チクチク」の原因となることもしばしば。

単刀直入に。
“紡毛”の沼ネックでは、上述の紡毛のデメリットの全てを克服しています。

本来は梳毛として加工するような細くて長い繊維質の原毛を、あえて紡毛に。
紡毛ながらに梳毛並みに糸が細いのだ。
これによって紡毛としては異例の12Gというハイゲージでのニッティングを可能としている。

これによって紡毛の特徴である保温性と軽さをそのままに、紡毛の「チクチク」と厚みを解消しています。
「チクチク」しない紡毛、それも梳毛並みに細い繊維質。
カシミヤと錯覚するほどのふっくらとした柔らかな肌触りを体感していただけます。

否、正直なところ、並のカシミヤを軽く凌駕する程の質感を備えます。
服が好きで、カシミヤの質感をよくご存知の方にこそ、驚きと共に“紡毛”の沼の魅力を迎え入れていただけることでしょう。

首元にはマイナー・チェンジが施されています。

手前:紡毛の沼 奥:梳毛の沼

微妙な違いをお分かりいただけるだろうか。
梳毛の沼に比べ、前下がりとなるように設計されている。

これによって更にスッキリとした見映えに。
シャツをインナーとした時、スカーフ等を巻いた時の収まりが更に良くなった。
ジャケットのインナーとした時の見映えの良さは、もはや言わずもがな。

ブランドの強みでもある鮮やかな発色を感じさせる色味をご用意いたしました。
ベーシックなオフ、キャメル、ブラック、グレー。
重たくなりがちな秋冬のコーデに色を差すターコイズ、ピンク、ボルドー、オレンジ。

キツさを覚えるかもしれませんが、やや明度を落としたスモーキーな風合いだからこそ嫌味なく着ることができる。



遅れてやってきた主役級の一枚。
一際深い“紡毛”の沼をぜひお楽しみください。

それでは。

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