週刊ZABOU「BUZZ RICKSON’S(バズリクソンズ)謹製/M-51 TROUSERS SHELL FIELD」

温め過ぎたかもしれません。
BUZZ RICKSON’S(バズリクソンズ)のM-51 トラウザーが入荷して参りました。

過去にデッドストックや、ユーズド商品を扱っていたことから年に10回ほど聞かれます「M-65 PANTSはもうないの?」
その答えは残念ながらありません。前回入荷したのが3年ほど前で、アメリカに買い付けに行った際、たまたま倉庫から出てきたS-S、S-Rのサイズは、最早絶滅危惧種。

そのアメリカの軍パンと聞かれて、真っ先に出てくるM-65が開発される10年程前から採用されていた、前型「M-51 TROUSERS SHELL FIELD」。
実は今が紹介するには理由がありました。

今回はスタッフの私物のM-65 PANTSと比較しながら、ご紹介しようと思います。

 M-51とは?

BUZZ RICKSON’S(バズリクソンズ) M-1951 フィールドトラウザー  ¥27,280-

米陸軍が1951年に採用したコットンサテン地を裏使いしたフィールドトラウザース。陸軍はこの頃、寒冷地用の戦闘服としてM-51シリーズのセットアップレイヤードシステムを採用しました。

アンダーシャツ、ドラウァー(パンツ下)を履いた上にウール製のフィールドシャツとフィールドトラウザースを着用し、更にその上からコットン製のフィールドジャケットとフィールドパンツを着用。
いずれのM-51も寒冷地での着用を考慮し、ルーズフィットにすることで体温を閉じ込め、外気を遮断する効果を重視しています。

寒冷地だけではない、オールシーズン対応のオーバーパンツ

今回ご紹介のM-51ですが、M-65と酷似している点、違った点は様々。
1つ1つご紹介するとして、大まかな共通点として
寒冷地仕様のオーバーパンツという点があります。

1980年に開発されるレイヤリングシステムが出来るまで以前、寒冷地ではオーバーパーカー、オーバーパンツなるものがございました。
M-51も同じく、基本的にはパンツのライナーなどがあり、その上から穿く事によって冬でも着用が可能になっております。

内側にはライナーボタンが付きます。

生地感はM-65が綿×ナイロンに対して、M-51はバックサテンを使用。
という事は冬場は現代のライナー(パッチ)を着用するとして、夏場でも厚すぎず、ガシガシ洗って穿ける。
冬もお勧めしたいのですが、夏場も65を穿きたい方にはうってつけなのです。

自分自身、夏場はPROPPERなどのバックサテン、冬場はM-47などのフランス軍のミリタリーパンツと生地厚によって軍パンの衣替えをしていましたが、これからはコイツが仲間入りすることによって、しっかりとした太さを活かしたスタイリングが年中楽しもうと思います。

武骨さや、頑丈さの象徴。ダブルステッチ

M-65と違った点で言えばサイドシームの巻き縫い。
お好きな方も多いダブルステッチは、穿きこむほどに生まれるパッカリングを存分に楽しめます。
それも綿100ともなると、しっかりと全体の生地感だけでなく、サイドにも立体感が生まれてくれます。

デニムのサイドシームと同じく、軍パン好きにはこちらがなくてはならないとお考えの方が多いように思います。

シンプルな白のボタンダウンシャツと合わせても、しっかりと生地に撚りが効いたバックサテンの表面と、サイドシームのアタリがバチっと出ていた方がコントラストが効いて美しい。今時期からラフに穿きこんで、春にはジージャンやボタンダウンシャツに、夏にはシンプルに白Tと合わせて。

膝に配されたタックは51も65共通。
可動域を広げる為ではあるが、これにより足のラインに沿った見え方をするので、太めながらファッションアイテムとしても確立されている。

ここまでやるか、、、バズリクソンズの本気

ジッパー部分。65は前期がブラスジップ、後期になるとこれがアルミジップに変更となる。
この辺りは年代の判別に必要なディテールではあるが、好みもあるのでしょう。

コンマ―社のコの字ブラスジップ。実はBUZZRICKSON’Sの51は、わざわざジップも当時のものと同じくの復刻をさせ、パーツに打ち込むという拘りよう。

サイドポケット裏のスレキに描かれたスペックについても当時と同じくの表記。
見えない部分にまで手抜かりなし。

また、M-65にはウエストは完全ベルト仕様。M-51にはサスペンダーボタンが取り付けられる。
1940年代~50年代とクラシックなスラックスやデニムなどと同じように、サスペンダーで大きめを吊って穿くのも面白い。



語れる部分が本当に多いパンツだが、実際に秋冬の僕たちのスタンダードな着こなしにも非常にマッチする。

スタイル①

●アウター BUZZ RICKSON’S(バズリクソンズ) サイズ:40 ¥60,500-
●ニット ARAN WOOLLEN MILLS(アランウーレンミルズ) サイズ:M ¥14,080-
●パンツ BUZZ RICKSON’S(バズリクソンズ) サイズ:M ¥27,280-
●ビーニー HIGHLAND2000(ハイランド2000) カラー:ネイビー ¥4,950-
●シューズ 私物
モデル 身長170㎝ 体重68㎏ 足のサイズ約27.5㎝

ミリタリー×ミリタリーの組み合わせ。
ボリューミーなロング丈のアウターに合わせる事により、パンツの太さが気になりません。

短めレングスに裾をドローコードで縛ることによって、テーパーが生まれスッキリとしたバランスに。

スタイル②

●アウター BUZZ RICKSON’S(バズリクソンズ) サイズ:40 ¥60,500-
●ニット ARAN WOOLLEN MILLS(アランウーレンミルズ) サイズ:M ¥14,080-
●パンツ BUZZ RICKSON’S(バズリクソンズ) サイズ:M ¥27,280-
●ビーニー HIGHLAND2000(ハイランド2000) カラー:ネイビー ¥4,950-
●シューズ 私物
モデル 身長170㎝ 体重68㎏ 足のサイズ約27.5㎝

こちらもミリタリー由来のピーコートですが、先程と比べて上品な印象に。
冬場のマリンスタイルに敢えてフィールドトラウザー。

ロールアップで足元にボリュームを作って、NEW BALANCEで下半身に重さを作る。
普遍的ながら、冬場は特に良いのです。

スタイル③

●ニットジャケット Rinascente(リナシェンテ)  サイズ:46  ¥31,900-
●シャツ SERO(セロ)  サイズ:14  ¥12,100-
●パンツ BUZZ RICKSON’S(バズリクソンズ)  サイズ:S  ¥27,280-
●シューズ G.H.BASS(ジーエイチ・バス)  サイズ:US7  ¥27,500-
●ネクタイ BENTLEY CRAVATS(ベントレークラヴァッツ)  ¥11,880-
モデル 身長160㎝ 体重60㎏ 足のサイズ約25㎝

ショールカラーのカーディガンにタイドアップしたスタイリング。
スラックスで決めたいところをあえての軍パン。こんなスタイリングにも、程良い太さが際立ちます。

ロールアップした足元に華奢なローファー。
ある程度ボリュームのあるバランスだからこそ、メリハリがつくのでオススメです。



さて、古着では滅多にお見掛けする事のないパンツとなりましたこちら。ジャストサイズが見つかるのは、一体いつになる事やら。
そんな中で、国内屈指の再現力のBUZZ RICKSON’S製となれば、本物と同じように愛着を持って接することにより、唯一無二のマスターピースになってくれます。
年間を通して、生産数はあまり多くはありませんので、気になる方はお早めに。買って後悔しない一本となっております。


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