Tweed(ツィード)が良く似合う俳優(監督)のひとりに、かの有名なWoody Allen(ウディ・アレン)(1935~)を挙げるのは言うまでもないだろう。所謂オシャレ本といわれる図鑑やその他諸々の雑誌に彼は打順の決まった打者のようにいつもその打席をキープしている。このNew York出身の小さな才能ある君子はこだわりのある、しかも山椒のようなピリリとしたコーディネイトでその存在感を世界中に知らしめる。
しかし、近年カジュアル界において,ウールのトラウザース(=スラックス)を取り入れたコーディネイトをあまり見かけなくなって久しいような気がする。特にプリーツ(タック)の入ったトラウザースなど皆目見てないのではないだろうか。だが、そう思っていた矢先に同じNew York出身のブランド『Steven Allan』から2タックのウールのトラウザースが出ているではないか。
この何とも風合いの良い、それでいて品のあるトラウザースは、ただ単にオヤジが穿くスラックスとはほど遠い細身でしかも洗いの掛かったスタイルになっている。2タックというとオヤジ的イメージが先行しがちだが、実は人間の体を立体的に捉えたときその曲線に沿うにはタックが入っているほうがシルエットを優雅に見せるために理想的なのは言うまでもない。
元に戻ってWoody Allen。映画での彼のカジュアルな服装からは、アレンは着るものに頓着しないかの印象を受ける。だが長年のパートナーだったミア・ファローによればこれは間違いらしい。「ウディほど服装を気にする人を私は知らない。毎月『Vogue』が送られてくると、隅からすみまでなめるように読みふける。」彼の”よれよれルック”は実は念入りにコーディネイトされたファッションだったのだ。「麻のスーツもツイードのジャケットも特別に仕立てさせたもの。シャツは最高級の海島綿、セーターは茶かグレーのカシミヤしか着ない。」(PLAYBOY2006年5月号より引用させて頂きました。)
もっとも砕けたファッション。そしてスタイル。砕け具合がいい。ゆるい、隙だらけのコーディネイトが参考になるのだ。オシャレの先達たちからたくさんの事を学ぶ事ができるかもしれない。
Steven Alan(スティーヴン・アラン) Pleated Wool Trousers(ウール・スラックス) カラー:ツイード、グレンチェック サイズ:29,31,33 プライス:¥21,840-