どうも。
EL決勝、シーズン無敗レヴァークーゼンがまさかのアタランタに完封負けして思わず自宅で一人声を上げてしまった東京店スタッフ濵地です。
ハットトリックってなんや。ルックマンって誰や。お前らバイエルンボコってたやないかい。なんでアタランタに負けるんや…。そんな気持ちでした。
とはいえ、早かれ遅かれいつかは負ける時が来てしまうのでね。とりあえずブンデス無敗優勝ができて良かったです。
ところでこの「洋服解剖学」、前回の投稿から約2か月、空きすぎですね。大変失礼いたしました。
ただ、文字に起こすとなると中々難しいんですよ。そもそも服を理論で語るということが困難なのです。どうかわかってください。
ですのでシーズンの兼ね合いもあり、これを書こうというものがありませんでした。
ですがこの夏、僕が書きたくなるものが入ってきました。
そう、Champion(チャンピオン)のT1011。
言うたら普通のTシャツですよ。
服好きじゃない人でも知ってるし、デザインもとってもオーソドックス。
でもまあちょっと語らせてくださいよ。
ヘビーウェイトTの魅力
商品の紹介の前にまずはヘビーウェイトTについて。
近年アウターTシャツとして人々を魅了しているのがこのヘビーウェイトTというジャンル。
言うなれば普通より厚地のTシャツ。ガシガシ、ザラザラの質感で耐久性が高く、ヨーロッパというよりはアメリカンな雰囲気。夏に着るなら少し大きめで着たい。そんな風潮があるかと思います。
夏に向けて購入を検討されている方もいる事でしょう。ですが、今や様々なブランドからこのヘビーウェイトTが出ているわけですが、一体どれがいいのか。そんでもってなぜチャンピオンをおすすめするのか。
せっかくなので他のブランドと比較して見ていきましょう。
①CAMBER(キャンバー)
1948年、アメリカのペンシルベニア州にて生地工場としてスタートし、学生スポーツチームや体育協会からボディ受注を受け、スウェットシャツなどを生産しておりました。
1992年にブランド「CAMBER」としてスタートし、今なおMADE IN USAに拘って生産しています。
ヘビーウェイトTといえばこちらを思い浮かべる方も多いでしょう。ブランド代表作「MAX WEGHT Tee」。
私濵地も所有する大好きなアイテムです。(こちらのお取り扱いはございません!)
実際3枚も持っておきながらこんなこと言うのもなんですが、決して質が良いとか、形がいいとか、万人受けするとか、そういったことはございません。
スペックを細かく見ていきましょう。
まずは生地。8オンスのわかりやすいヘビーウェイトで透け感はありません。ザ・アメリカンブランドなガシガシ、ザラザラな質感でヘビーウェイトTの王者として名を恥じません。
ですが形はちょいと不細工。肩幅ゆったりで着丈は長くないボックスシルエット。生地の厚みも相まって肩が落ちることなく立体的になります。袖の付け方もあんまりなのでしょうね。特に僕の様な細身の人間が着ると肩が強調され、着られてる感がでます。
あとネック。画像では分かりづらいかもしれませんが、新品の状態はこれでもかというくらいぎゃんぎゃんに詰まっております。完全に殺しにかかってます。多分毎年何人か死んでます。
そして耐久性。ネックは左右の肩端から肩端まで襟ふせテープで補強する「タコバインダー始末」。意外にも気が利いていますが、なにせぎゃんぎゃん過ぎてヨレてしまわないか疑問。
各所縫製も適当なので個体によってはイってしまうでしょう。
それともう一つ、個体差が凄い。同じサイズでこれだけ違うので、ネットで買う際はギャンブルです。
②Jackman(ジャックマン)
Jackmanとはタナベメリヤスの創業者、田辺貢の魂を受け継いだ福井県発祥のファクトリーブランドです。
戦後、アメリカンベースボールに憧れ、脱サラし工場を設立。アイデアマンとして次々と新たな技術を生み出します。
見栄をはることで豊かな心を得たい、そんな思いが裏にはありました。
Jackmanはその創業時からの技術と精神を引き継ぎ、独自の視点での“あまのじゃく”なモノ作りにより
着る人に高度な満足感を提供します。
ZABOUでもご好評いただいております「Dotsume Pocket T-Shirt」。
流石は我らがMADE IN JAPAN、ただのポケットTではありません。
生地は11.5オンスの極厚ドツメ天竺素材。ガシガシではありますが自然と滑らかな質感。また極限までドツメしているので、洗濯による縮みやゆがみが起きにくいです。
形も秀逸。全体的なシルエットは日本人の体型に合わせていながら身幅はゆったりめ。まさにアウターTシャツ向き。ですが、厚みがあるのでインナーには厳しいですね。
ネックはキャンバー同様タコバインダー始末で、身生地に合わせてリブもしっかりとした厚みのものを使用しております。
1900年代初頭のBaseballユニフォームのポケットディティールをモチーフにホームベース型の表見返し仕様のすっきりしたポケット口になっています。
クオリティは申し分のない”アウターTシャツ”です。が、まずはチャンピオンをおすすめしたいんです。次からが本題です。
③Champion(チャンピオン)
1919年ニューヨーク州ロチェスターで産声をあげたチャンピオン。
当初はチャンピオンのセーターを販売。その後、防寒用に開発したウール下着が米軍に採用され、現在のスウェットシャツの原型が完成。それがスポーツウェアとして注目され、大学生アスリートたちが着用する必須アイテムとなりました。
定番の「T1011」、「リバースウィーブ」を中心に、幅広いラインナップとカラー展開で毎年たくさんのアイテムを取り揃えています。
さて、こちらがチャンピオン定番のヘビーウェイトT「T1011」です。
見た目から感じるアメリカTシャツの良き雰囲気。魅力を解説していきますね。
まず生地ですが、糸の選定、裁断、縫製に至るまでをすべてアメリカで行い、ガーメントウォッシュ加工を施すことでヘビーウェイトながらもしなやかな質感となっております。そのため、お洗濯による縮みを軽減してくれています。
気になる厚みは7オンス程。前述の2ブランドに比べると物足りなさを感じるかもしれませんが、ヘビーウェイトTで人気のHanes(ヘインズ)のBEEFY-Tが6.1オンスですので厚みも十分、透け感もありません。
それでいてしなやかで柔らかいのでついつい着たくなります。いくらヘビーウェイトTだからといって着心地は良い方が良いに決まってます。
MADE IN USAでありながら日本企画ですので、形も日本人に合っています。インナーに差し込んでももたつきません。
チャンピオン製品お馴染みのロゴマーク。
ロゴも何もないソリッドなTシャツもいいですが、こういうわかりやすいデザインは嬉しいですよね。
T1011の作りの特徴の一つにこちらの「バインダーネック」があります。
一般的なTシャツは「ロックネック」という作りが多いのですが、これは身頃と首リブの端同士をロック始末するという方法です。
これによってネックに伸縮性がでるというメリットがありますが、その分ヨレやすいというデメリットがあります。また、縫い端を処理していないモノに関しては縫い端が体に当たるということも。
対してこちらのバインダーネックは、身頃の端を生地を挟み込んでダブルステッチで縫うという方法です。
そうすることで耐久性が格段に上がるため、スポーツウェアやミリタリーウェアなどのタフな洋服に採用されています。ネックの伸縮性が劣ることがデメリットですが、チャンピオンはその分ゆとりをもたせて作られています。
もう一つ。T1011の特徴としまして「丸胴編み」があります。
簡単に言えば脇に縫い目がない作り方です。ヴィンテージのカットソーなんかでも見られる手法なのですが、脇に縫い目が無いことで縫い代の肌アタリが無くなり、着心地が良くなります。
それとあまり言及されませんが、個人的には「斜行」が目立ちにくいのもいい点かと思います。
斜行とは言わばねじれのこと。生地は一方方向に撚られた糸を使って織られているので、洗いにかけるとそれが元の状態に戻ろうとしてどうしてもねじれや縮みが発生します。
脇に縫い目がある「横割り」タイプですと、斜行が起こった際にこの脇の縫い目が前の方に出てきて目立つ場合があります。ですが、丸胴編みですと斜行が起ころうともそもそも縫い目が無いので問題ありません。ちょっとしたことかもしれませんがそんなメリットもあるのです。
まとめると…
ここまで長々とお話ししましたが、まとめるとこんな感じ。
~CAMBER(キャンバー)~
生地★★★★
シルエット★★
デザイン★★
耐久性★★★
汎用性★★★
コスパ★★★
~JACKMAN(ジャックマン)~
生地★★★★★
シルエット★★★★
デザイン★★★★
耐久性★★★★★
汎用性★★
コスパ★★
~Chamion(チャンピオン)~
生地★★★★
シルエット★★★★
デザイン★★★★
耐久性★★★★
汎用性★★★★★
コスパ★★★★★
五段階評価
別にどれがが良い悪いとかではないですが、チャンピオンT1011は普遍的なデザインでアメリカTシャツの魅力を感じることができ、インナーでも1枚でもいける。それでいて耐久性も高く、コスパも良い。
他のブランドと比べてもバランス型で使いやすいヘビーウェイトTです。
定番として愛されてきたのには理由があります。気になった方はぜひ下の画像をクリックです!
ここまで読んでいただきありがとうございました。