JAPAN BLUE JEANS(ジャパンブルージーンズ)工場見学「縫製・加工編」

9/9(土)より大阪店にてスタート致します、『JAPAN BLUE JEANS(ジャパンブルージーンズ) DENIM FAIR』

前回は「生地編」ということで如何にしてデニム生地が出来上がるのかについてお話しさせて頂きました。
さて今回は「縫製・加工編」でございます。
まだ「生地編」を見ていない方はコチラをご覧ください。

縫製について

今回見学させていただいたのは、JAPAN BLUE JEANS(ジャパンブルージーンズ) のデニムパンツ(主にCIRCLEシリーズ)の縫製を請け負っている縫製工場。
JAPAN BLUE JEANSの本社より車で10分程の場所に位置しております。

写真の通り部屋中に所狭しとミシンが配置されております。
縫製場の規模としてはあまり大きくはないですが、1日あたりの生産量は約150~160本(パンツの形によって変動あり)。
1人2~3役で、デニムを構成するそれぞれのパーツの縫製を担っています。

◎パーツ振り分け

まずは裁断。
各モデルのパーツごとに振り分けを行っていきます。

モデル毎に振り分け。同じ生地の物が多いので重要な作業です。

◎パーツ縫製

パーツの振り分けが終わるとようやく縫製に。

生産工程としてはフロント部分の縫い付け・バック部分の縫い付け、バックポケット付け、フロント生地とスレキの縫い合わせ、腰帯(カーブベルト)縫い付けなど多岐にわたります。

座り立ちの運動など、パンツにおいて一番負荷のかかるヒップ部分は巻き縫いと呼ばれる仕様で縫製。
2枚の生地を丸め込みながらミシンをかける為、技術が必要な部分となります。

赤字が巻き縫いミシンで縫製される部分。

パンツを縫製するのと同時にポケットやその他パーツも作られていきます。

フロントポケットのスレキ。
バックポケット。
腰帯のアイロンプレス。

それぞれの付属パーツが完成したら、続いてはそれらを縫い付ける作業。

次いで内股部分の縫製と外側の縫製。

ここまでの工程を踏むと、バラバラのパーツが筒状に縫い合わされ我々がよく見る形に仕上がってきます。

◎裾処理・副資材の取り付け

縫製工程でほぼほぼ完成に近づいたパンツですが、最後にリベットやフロントボタン、裾の処理など仕上げの工程を行っていきます。

・リベットの打ち付け
・トップボタンの打ち付け
・裾処理(チェーンステッチ)
使用されるミシンはもちろん「UnionSpecial(ユニオンスペシャル)」のミシン。

以上の工程を経てジーパンの形として仕上がっていくのです。

製品加工

縫製工場でジーパンとして8割方完成する訳ですが、縫い立てホヤホヤのジーパンはいわゆる「リジッド」状態。
下の画像のようにあらかじめ加工された商品などは洗いやブリーチ加工を施し商品として出来上がります。

JAPAN BLUE JEANS(ジャパンブルージーンズ) CIRCLE クラシックストレート / 16.5oz コートジボワール綿セルヴィッチ(モンスター) ウォッシュド

◎ブリーチ加工

今回見学させていただいたのは某メゾンブランドのデニムジャケットのヴィンテージ加工。

職人が一つ一つ手作業で、ブリーチ剤を染み込ませた布を使って部分的に色を抜いていきます。
これは洗いだけでは表現できない部分を手作業で行っているんです。

リジッド状態のジャケットにブリーチ剤を塗っていきます。

この工程をやるかやらないでは仕上がりは雲泥の差だそう。

◎洗い加工

部分漂白を終えた段階で、大きな窯の中に同じ商品を40着程入れて洗いをかけていきます。
熱湯洗いをかけるため、現場は湿気と暑さで中々過酷な環境です。

この工程では様々な商品を作る事ができ、
全体的な色落ちを表現するならば洗剤と合わせてブリーチ材を入れ、
後染めデニムや染め加工を表現するならば着色剤を入れて洗いをかけていきます。

一見、加工するには必要の無さそうな軽石。

これは生地の色落ちの濃淡を出すには必要不可欠なもので、洗いをかける際に生地表面の色落ちがのっぺりしないようこれを入れて生地表面を擦り、表情を出しているのです。

洗いが完了しました。

このまま脱水~乾燥かと思いきやバケツに付けて何かを確認しています。

これは洗い工程終了後に製品ごとの色むらが出ていないかのチェック。
同じ商品で極力色の差が出ないように目視で確認が必要なんだとか。

水を張ったバケツに入れる理由は、
生地自体が温度や水分で生地の色が変わるので、水に漬け込み温度を一定にさせて色の確認をするから。
色が濃ければ新たに洗いをかけたりと中々手間のかかる作業です。

◎乾燥

洗い加工が終われば最後は乾燥。
商業用の大きな乾燥機で一気に乾かしていきます。

乾燥後の製品。
ブランドによってはこの一連の工程から再度手作業にてブリーチを塗り込む工程を経て脱水・高温乾燥をしていき最後は天日干しをしていきます。

リジッド状態のジャケットから最終的にここまでの色落ちを表現できます。
ぱっと見でヴィンテージか?と思わせる程の仕上がりです。

まとめ

「生地編」「縫製・加工編」と2部構成にてお伝えさせて頂きましたがいかがでしたでしょうか。

生地作りから縫製、製品加工と普段洋服屋で手に取りカッコイイと思うデニムのアイテムはこのようにして製品化されているのです。
それぞれの分野に職人と呼ばれる人がおり、そのプロ達の技術が組み合わさり1つの商品が我々の手に渡る。
自分が満足して着ている商品も、このような背景を知るとより一層愛着が湧いてきます。

今回のイベントではそんな商品がずらりと並びますので、皆さんじっくりご覧ください。
あなたにお気に入りの1着がきっと見つかるはずです。

【イベント情報】

この記事を書いた人

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高橋

ZABOU大阪店スタッフの高橋です。
『TAKE IVY』でここまで大きくなりました、アメトラ大好き青年です。
皆さまどうぞ宜しくお願いします!