週刊ZABOU「特集:英国革ジャン。JAMES GROSE(ジェームスグロース)」

今回で二度目となるJAMES GROSE(ジェームスグロース)オーダー会。
ブランドの歴史、展開するレザージャケットについて、オススメのレザーについてなど様々な角度から数回にわたり、検証する本企画。
今回はJAMES GROSE日本代理店株式会社GREENWICHの若手ホープ川﨑さんにお話しを伺った。

株式会社グリニッジ 川﨑さん

株式会社GREENWICHについて

—どういった商品をお取り扱いされていますか?

川﨑「主にヨーロッパのブランドを取り扱っていますが、英国ものが多いです。元々弊社代表がイギリスで貿易関係の仕事をしていたこともあり、そういった商品を多く展開しております。」

JAMES GROSE(ジェームスグロース)について

川﨑「1876年にモーターサイクルウェアやパーツの取り扱いからスタートしたショップで、1950年代にはデパートとして英国に店を構えておりました。その頃にはクリケットやスポーツウェアなど様々な商品を取り扱うスポーツ全般の百貨店のようなイメージでした。こちらは1950年代の資料となります。」

貴重なJAMES GROSEの資料。中身は当時の商品などが掲載されたカタログ。

川﨑「その後、一度廃業するも、2000年代に復活を遂げます。弊社では2019年から取り扱いをスタートしております。」

—どういった客層に支持されていますか?

川﨑「弊社オンラインサイト『SHOW&TELL』では20代~40後半の方が多く、特に30代の方に一番見て頂いております。年に数回、JAMES GROSEの試着会というものを行っておりますが、そこでは多い日で30人程ご来場いただきますが、バイカーの方からタウンユース用に選ばれる方まで、幅広くご覧頂いております。」

https://showtell-online.com/

—やはり英国ということで、そういったトラッドな印象でしょうか?

川﨑「全体的にモードで綺麗目な印象の方が多く見受けられます。JAMES GROSEのウェアのバランスからいっても、そこまでハードになり過ぎず、綺麗目にも取り入れて頂けるからだと思います。」

人気の形について

「やはり今までは圧倒的にニューマニラジャケットが人気品番でした。最近の傾向だと認知度が高まったこともあり、前回の試着会からシングルライダースにも人気が高まっております。」

「こちらはシングルの中でも人気のクラブマンジャケット。ポケットの付き方が特徴的で、カフェレーサースタイルの象徴で、前傾姿勢での運転時も取り出しやすいような斜め付けのポケットがスタイルのアクセントになります。」

—ボールチェーンなども付きますし、シングルで取り入れやすい分、ディテールが凝っていますよね。

「はい、シングルはクラブマン、ダブルはニューマニラが二大巨頭でした。」

ニューマニラジャケットは何といってもタウンユース向けに作られた形。着やすさは抜群に高いです。この形からブランドを知って頂く事も多いです。」

「JAMES GROSEは所謂ロンジャン(カフェレーサースタイル)になるので、基本的に前傾姿勢になることが多いので、着丈は長く、袖も長めの物が多いんです。New Manilaはタウンユース仕様に袖丈を短めに作っており、形も比較的スッキリ目のバランスです。」

—自分も着ていますが、元々ハードな印象で、細い作りなのが自分の手持ちの洋服に合わない気がしていましたが、程良くジャストなサイズ感で袖丈も短めなので、本当良く着ています。

「どうしてもハードな印象になりがちなダブルのライダースジャケットを、少し綺麗目な印象も持たせたこともあり、ワイドなジーンズよりもスラックスのようなパンツとも相性が良いですよね。」

—そのほかのダブルだとどのようなモデルがありますか?

「続いてご紹介するのは、リカルドジャケット。こちらはダブルジャケットなのですが、スタンドカラーになることによって、前を締めるとシングル風に、襟を倒してよりダブルらしく見せられることもあり、様々な着こなしが可能となっております。」

—襟元もスッキリするので、重ね着もしやすそうですね。

「ポケットの数が少ないのもあって、よりスッキリ着られるのではないでしょうか。スッキリモデルだともう一つオススメがあって、JAMES GROSEの一番初めのモデル、レーシングジャケットです。」

「まず、JAMES GROSEのジャケットは、こちらのレーシングのヴィンテージジャケットが発掘されたことから、ブランドがスタートします。こちらをベースに現代風にアップデートしたものがレーシング。そういった意味では外せません。」

—始まりの一着。やはりオリジナルがシンプルでカッコ良いのは、どこも同じですね。

「サイドのポケットも付かず、背面のアジャスターなども無し、本当にsimpleな作りだからこそ、着る人を選びません。」

—これらご紹介いただいたジャケットは、袖丈は二種類ということですか?

「はい、NEW MANILA以外はこのレーシングの形からの派生となるので、袖丈は少し長いと思って頂いて大丈夫です。で、新型で今回から受注受付可能なNEW TROPHYはNEW MANILAと同じくの袖丈となります。」

「こちらはレーシングよりもディテールが多く、クラブマンよりも少ない、ライダースらしさはありつつも着やすいシンプルさが魅力です。

これまでタウンユースに適した袖丈のタイプは1種類でしたが、ニュートロフィーが増えた事によって、選択の幅も増えました。」

—確かに、試着してみてダブルだと少し気合が必要というか、そんなに難しくはないものの、自分の目を慣れさせるのも時間が掛かりますよね。

「実際、シングルの方がスウィングトップやブルゾン感覚で合わせて頂く方も多いので、そういう普段のイメージで着たい方にはお勧めです。」

—ずばり、一番のお気に入りの形はどれになりますか?

「私はカールトンという形が特に気に入っております。」

※製品はポケット部分が両玉縁になります。

—あんまりライダースっぽくないですよね。

「そうですね。1920年代に生産されていたバイクに基づいて名付けられました。他のライダースジャケットに比べると、身幅にゆとりを持たせた作りとなっておりますので、スウェットを着たり、セーターを着たりと着こなしも様々です。」

—ジップもそこまで大ぶりでないですし、コーチジャケットのような雰囲気ですよね。

こういう細かい仕様もさることながら、ライダース(特にダブルのライダース)ジャケットって、一張羅というか気持ちを作って着るようなアイテムだと思うのです。」

—少し緊張気味で着るとか?

「そうですね(笑)カールトンはあくまで自然と羽織れるというか、コンビニ行くくらいの感覚で着てもらいたいですね(笑)」

—軽っ!(笑)でも、しっかりとライダースらしいデザインから、少し気軽に羽織れるデザインまで様々ですね。

レザーについて

—用途によってレザーもお選び頂けるのが今回のフェアの醍醐味だと思います。人気のレザーはどれになりますか?

「人気のレザーはホースがダントツで人気です。ベジタブルタンニン鞣しのホースは、他にあまりない質感で、傷や血筋が個性溢れる素材で、一つとして同じものが存在しないところもオススメできるポイントの一つかなと思います。」

—シープも同じベジタン鞣しですよね?

「はい、シープが一番柔らかい革ですので伸びも一番ありますね。重量も一番軽いので、リラックスして着て頂く事ができますね。」

—カウレザーは逆にハードな印象がありますが、、、

「カウレザーはバイクでの使用を想定して、ご購入頂く方も多いです。昨年よりカウの質感が変更となり、より柔らかく着やすい印象で、着始めから体に沿ったラインを見せてくれます。」

※色展開が変更になる可能性もございます

—スウェードレザーも、個人的には気になっています。実際見た目の印象も柔らかく、着やすいですしね。

「今回のフェアではケア用品のご予約も同時に行わせて頂くのですが、それぞれのレザーに合ったケア用品もご用意しております。」

—やはりレザーウェア専用のケア用品だと違いますか?

「基本的に靴やカバンなどに使われるものよりも、伸びが良い形状になっているので、ジャケットなどの面積の広いものに対しては、こちらをお使い頂くことがオススメです。また、どういった経年変化を目指すかによって、艶ありと艶なしの二種類をご用意しております。」

—今まで漠然と長く愛用するためのケアでしたが、どういった経年変化をさせるかによって、ケアの方法も変わると思いますので、この辺り是非トライしてみたいと思います。最後になりますが、川﨑さんから見て今後JAMES GROSEのブランドを、どうしていきたいですか?

「認知して頂いてきましたが、まだまだ知名度的にはそこまでだとは思いますので、同じく英国のルイス・レザーのような”ロンジャンと言えば!”なブランドにしていきたいなと思います!」

—良いですね!これからが非常に楽しみです。川崎さん、本日はどうもありがとうございました。



大人が肩肘張らず、、、という言葉はよく聞きますが、ある程度カッコつけて着たいレザージャケット。
極上のレザーを使用し、育てる楽しみ、着心地の良さをお楽しみ頂けるブランドは数少ないんです。

そんな中、James Groseのレザージャケットは、その全てを満たしてくれ、クラシックな洋服にも合う絶妙なサイジング。
是非この機会にお気に入りのレザージャケットをお探しいただければと思います。


JAMES GROSE(ジェームスグロース)オーダーフェア
7/13(木)~7/17(月) 大阪店
7/20(木)~7/24(月) 渋谷店
7/27(木)~7月31(月) 銀座店

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