週刊ZABOU「BARACUTA(バラクータ)/WHY G-9?? -何故、G-9なのか-」

長らく定番ものと言われるものを扱ってきておりますが、BARACUTAもその一つ。
今までBARACUTAも様々なモデルがリリースされますが、結局はこのスイングトップのみとなります。
基本的に、BARACUTAは日本に代理店となるものが存在しないこともあってか、長らく需要と供給のバランスが取れずにいます。
僕たちも海外からの輸入になるので、入荷は年に一回のはずですが、今年はあまりにも供給できずにいたところですので、急遽オーダー。
運良く本日再入荷となりました。

BARACUTA(バラクータ) G9 Regular Fit

BARACUTA(バラクータ) G9 Regular Fit  ¥52,800-

では、何故G-9なのか。本日はその理由に迫ろうかと思います。 

BARACUTA社はジョン・ミラー兄弟によって1937年設立。
イギリス陸軍の支給用ジャンパーを基に、世界初のスウィングトップを製作。これがのちにG-9と呼ばれるモデルにあたる。
ちなみにスウィングトップというのは和製英語。日本のアイビーウェアの火付け役、VANヂャケットの石津氏が命名した。

ミリタリーからゴルフジャケットに派生した歴史を持つG-9。
アメリカにもドリズラーという良く似た形が存在するが、それとは一線を画す上品な佇まい。
紳士のスポーツというだけあって、一つ一つのディテールが大人の男の格を上げてくれる。
まず、特徴的なディテールから。

襟元のドッグイヤー。
読んで字のごとく、犬の耳が垂れているように見えるこの形は、ボタンを留めると風の侵入を防いでくれる。
マフラー巻けば?と思うかもしれないが、これはあくまでスポーツジャケット。極力付属は少ない方が良い。

次に特徴的な背面のアンブレラヨーク。これは垂れてきた雨をスムーズに下に落とすためのディテールである。
そもそもコットン100%の生地で特別撥水加工を施したものではなかったが、2000年代に入り生地やシルエットが見直される。
私たちが扱うこのG-9も、2013年にリニューアルしたモデルで、撥水性が高く、生地も長年の使用に耐えうる耐久力を持つバラクータクロスを使用。
それまでアームが太くて着丈の短いとても日本人には似合わない形であったが、
アームや身幅を細く、着丈を伸ばすことによって、あの頃の往年のスターが着ていたバランスで着用できるといった利点がある。

裏地にはCOOLMAXの生地を配することで、通気性が良く四季のある日本、特に春と秋がとても着やすくなっている。

特にこのフレイザータータン。古くから英国では家柄を指す家紋のような役割があるこちらも、BARACUTA専用のタータンチェックとなっております。

袖と裾のリブ。
G-9の一番の特徴であるこのディテールは、風の侵入を防ぐといった効果があるが、単純にゆとりのあるサイズ感でも、
ニットのように引き締めてくれるといった効果がある。

身長160㎝ 体重60㎏ サイズ38着用

例えばこちらのスタッフでサイズ38を着用の場合。

身長からするとサイズ36でも着られるが、少し余裕を持たせて、サイズアップにした場合中にセーターも着られて、着丈の長さも調整できるといった点が、G-9の利点にも成り得る。サイズが上がっても袖や裾の長さは調整ができ、身幅やアームも太過ぎない。
トレンド感少なめで、普遍的なサイズバランスで着用が出来る。

また、日本ではどうしても高倉健のイメージが強いが、海外ではエルヴィス・プレスリー、スティーブ・マックイーン、デヴィッド・ボウイなど、様々な著名人が着用している事もあり、スポーツウェアであると同時にカルチャー的背景が強く感じられるウェアとなっている。

身長185㎝ 体重72㎏ サイズ44を着用

コンサバ的アイテムの代表格ではあるが、実は生地が丈夫なため、20代には20代の着こなしが、
40代には40代の着こなしが可能で、着方次第では何十年とお楽しみ頂ける一着。こういうものが、俗にいう一生モノと呼ばれるのだと思う。


歴史的に見ても貴重な、紳士用ウェアの代表格「スウィングトップ」の原型が今でも英国製で手に入るといった点、
サイズもタイトでは選ばず、少しゆったりくらいで選んであげることで、だらしなく見えず、様々な着こなしが出来るといった点、
そういった理由から、ZABOUではBARACUTAを。G-9を選んでいるのです。



これからの時期に少し寒いかも知れませんが、サイズのある今のうちが狙い目。
毎年4~5月の気持ちよく着られる季節には在庫もスカスカという事もしばしば。
是非来たる春に向けて、試着して着こなしの妄想するのも良いものです。

宜しければお試しください。

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