秋の装いをちらほら考えてますか? 暑い時はイメージトレーニングだけでもボチボチやりましょか。
洋服に対して真剣に取り組むメーカーさんと共にやらせていただくと、非常に楽しく刺激を受けたりするものでございます。
本日ご紹介のシャツはコントラストの効いた非常に大胆且つ繊細なものであります。
1950年代にはそれまでの洋服からの脱却を計るために実験的な洋服というものを皆が競ってつくった時代とも言われています。
当時は既製服そのものに対するアンチテーゼを洋服にぶつけた時代でもあります。例えば必要な部分をとっぱらってしまったり、蛇足的なことをしてみたりというような感じです。
そんなイメージを落とし込んだのがNOUN PLEAT POCKET SHIRTSでございます。
このシャツは肩から胸にかけて縦にハサミをいれてしまうという試みがなされたものづくりでもあります。しかもそこの縫い目のライン上に縦ポケットがあるというアバンギャルドなシャツです。構造的には非常に手間のかかる難しいものです。横に手を入れてなおかつ物を収納する事に工夫が必要な為です。
ディティールとしましては普通は裾の縫い合わせにマチをつけて敗れにくくしたりするのですが、それを余り負担のかからない袖口の裾部にもってきてあったりします。
そしてアメリカの実用的なワークものの生地(シャンブレー生地)を使用しての試みでもあります。普通シャンブレーやらデニム素材は力強い3本針のトリプルステッチやなんかで縫い合わせるのが相場なんですが
それをわざわざか細いステッチにして肩の縫い合わせとヨーク部分は内縫いにしてあったりと動と静のコントラストが効いたものになっているわけです。
ただのシャツと思ったら大間違いであんなこんながたくさん詰まっています。そして時間という概念を越えたものづくりですので来年も再来年も着れる洋服でもあるのです。
これはほんの一部でしかありませんが・・・。今後も乞うご期待!