HARRISS(ハリス)より、これからに良い感じのアイテムが入荷しています。

投稿日 2024年2月6日
著者小坂
カテゴリー Blog

こんにちは。
東京店スタッフの小坂です。

名レースに名実況有り。

サニーブライアンやアグネスフライトの日本ダービー(三宅アナ)
オルフェーブルの菊花賞やカンパニーのマイルCS(岡安アナ)
コントレイルの菊花賞やリバティアイランドの秋華賞(川島アナ)

僕の好きな実況はこのあたりでしょうか。
何度涙腺を破壊されたことか分かりません。

「人生の縮図」とまで評される競馬のドラマを華麗に謳い上げてくださるアナウンサー各位の皆様には頭が上がりませんね。

さて、我々アパレルの人間も、洋服に宿るドラマやフィロソフィをお伝えする立場にあります。
そういった意味合いでは、アナウンサーの皆様にある種のシンパシーを勝手に感じると共に、胸襟を正されるような心持ちにもなります。

ドウデュースの有馬記念を観返して気合を入れなおしたところで、僕も洋服のドラマを篤く謳い上げさせていただきます。
目指すは「ZABOUの杉本清」。
どうぞ今回もお付き合いください。

HARRISS(ハリス)というブランドより、春先にピッタリのアイテムたちが入荷しております。

大阪店にお越しくださる方々の内にはご存知でいらっしゃる方も。
しかし、東京店にお越しくださる方には馴染みの薄いブランドと思いますので、まずはブランドのご説明から。

ハリスは1980年にフランスはパリにオープンしたショップをルーツに持つブランドです。
プロダクトはアメリカントラッドをベースとしつつも、フランス的に洗練された眼差しの元で知的な遊び心(仏語でエスプリなんて言うそうです)を宿しています。
アメトラをリアルクローズとして着ていく上で要されるモダナイズを、フランスの価値観で行うブランドということですね。

ファッションのルーツをアメトラに持つ僕にしてみれば、大好物のブランドというわけです。
そんなわけで、今回の入荷分もばっちり僕のハートを打ち抜いてきました。
それぞれご紹介させていただきます。

2ND TYPE JACKET

いわゆる2nd型のデニムジャケットの形に綿ポリのタイプライター生地を当て込んであります。
タイプライター生地はシャツ等によく用いられるもので、アウターに用いられることはあまりありません。
そんな生地をあえて当て込む辺りがエスプリということでしょう。

せっかくなので、もう少し生地について掘り下げてみます。

タイプライター生地はやや細めの綿糸を高密度に平織りした生地を指します。
糸や織り方の特性から、パリッとハリのある生地に仕上がります。
ペーパーライク(紙のよう)な質感と評されることもしばしばです。

それ故に引き裂きに弱く、耐久性に難があるとされるのですが、こちらはポリエステルを主とした特殊繊維T400を混紡することで、そうした欠点をカバーしています。
T400は非常に伸縮性と耐久性に富んだ繊維です。
生地を破くような力がはたらいた時、T400が伸びることで引き裂きを防止する、という寸法ですね。

もう少し分かりやすい恩恵としては、生地がストレッチ性を帯びるため着やすいという点が挙げられます。
元より羽織りやすい薄手の生地ですが、このストレッチ性が気兼ねなさに拍車をかけます。

御託は程々に、着用しているところをご覧いただきましょう。

ゆったりとしたサイズバランスで、とりわけ身幅にゆとりを感じます。
スウェットもインナーとして着込めますので、小奇麗なアメカジに仕上げてみても面白いですね。

この辺りの2ndらしいディテールはしっかりと踏襲されていますね。
フロントのアクションプリーツなんてなんぼあっても良いですからね。

やや話が逸れますが、ハリスはモダナイズのバランス感覚が秀逸だと思います。
アメトラを再解釈するにあたり、削ぎ落として欲しくないところは全てそのままに、「ちょっと遊んでもらっても良いかなー」というところでしっかりと遊んでいます。
このジャケットにおいては、2ndらしいディテールはしっかりと残しつつ、サイズバランスをトレンドに合わせ、(ジャケットとしては)風変りな生地を当て込んでいます。
このバランス感覚、結構難しいと思うんです。
ハリスさん、ありがとうございます。

●アウター　HARRISS（ハリス）　サイズ：40　￥33,000-
●スウェット　SPINNER BAIT（スピナーベイト）　サイズ：M　￥13,200-
●パンツ　RESOLUTE（リゾルト）　サイズ：W28×L32　￥29,700-
●シューズ　G.H.BASS（ジーエイチ・バス）　サイズ：US8　￥28,600-
モデル　身長168cm　体重54kg　足のサイズ約25.5cm

ベージュを着るならこんな感じで。
僕はデニムを穿くことが多いので、こちらの方がコーデとしてしっくりきますね。

ゆったりとリラックスしたムードです。
軽やかな着用感で、春ムードが一気に高まりますね。

その軽やかさ故に、さらに上から羽織れちゃうのも乙なところです。
コートを羽織ったりなんかすれば今から活躍してくれますから、思う以上に長い期間クローゼットの第一線で踏ん張ってくれると思います。

HARRISS（ハリス）ノータックテーパードパンツ

上述のジャケットと同じ生地を当て込んだパンツです。
やはりパンツとしても薄手の生地なので、真夏でも穿けちゃうと思います。

穿いてみるとこんな具合に。
股上深め、ちょっとゆったりめって感じです。

テーパードがしっかりと効いていていやらしさがないので、どなたにとっても穿きやすいことと思います。
ビジカジなんかでもいけちゃうんじゃないでしょうか。

変わったディテールはなく、パンツに求められる必要十分条件だけを器用に備えます。
初めてこのパンツと顔を合わせた時、「ほーいいじゃないか。こういうのでいいんだよ。こういうので」と、『孤独のグルメ』の井之頭五郎のような所感を抱きましたね(生意気言ってすみません)。

●アウター　HARRISS（ハリス）　サイズ：40　￥33,000-
●シャツ　F.O.B FACTORY（エフオービーファクトリー）　サイズ：S　￥15,400-
●パンツ　HARRISS（ハリス）　サイズ：38　￥18,700-
●シューズ　G.H.BASS（ジーエイチ・バス）　サイズ：US8　￥28,600-
モデル　身長168cm　体重54kg　足のサイズ約25.5cm

メーカーさんのオススメは同じ生地であるジャケットとのセットアップだそうです。
かしこまっていないながら小綺麗な感じに仕上がります。

これをデニム生地でやったりすると、格好がつき過ぎたりするんです。
格好がついていて困ることはないのですが、世の中、TPOというものもあります。
これくらいのセットアップが良い塩梅でしょう。

もちろん、セットアップ以外でもお楽しみいただけますのでお気兼ねなく。

HARRISS（ハリス）ワークジレ　

小坂の本命です。

ヘビーデューティなワークのムードを感じるディテールを備えたベストですが、生地はあくまで軽やかに。
綿100%のツイルダンプ生地が当て込んであるそうです。

はて。
ツイルダンプ生地とは何ぞや。
聞いたことのない名前です。
ちょっと調べてきます。

調べ終わりました。
ツイル(綾織り)のダンプ生地のことを指すようです。

ダンプ生地はちょっと太い糸で織ったタイプライター生地のようなものを指すみたいです。
タイプライター生地の糸よりも太い糸を織っているため、ハリとコシがマシマシです。
そんでもって組織点(糸が交差する箇所)が少ない綾織りで織ることで、光沢、伸縮性を持たせているとのこと。
タイプライター生地の抱えた欠点を、糸の太さと織り方で克服しているわけですね。