日本製に拘り、現代においてジーンズの一つの完成形と言えるであろうRESOLUTE。ブランドは2025年で15周年を迎える。
昨年のRESOLUTE 工場見学。実はその際に、15周年の新たな企画は既に完成しようとしていたのを、我々は目の当たりにした。
「実はブラックジーンズを作ろうと思っている。」
そう語ったのは「RESOLUTE」のデザイナー林芳亨。
伝説的デニムブランドDENIME創立メンバー兼デザイナー。退社後にジーンズだけに絞ったブランドRESOLUTEを立ち上げる。
インディゴ、ホワイトと同じく目指すところは変わらない。
インラインのインディゴ、5周年に続き10周年で行ったホワイトは、今までに((ありそうでなかった))プロダクトを目指していた。
林「基本的には全く新しいものは作らないが、ありそうでなかったものを目指している。例えばホワイト。インディゴが色落ちするように、生成りの生地から色落ちして白に近づいていく。やはりデニムは経年変化が素晴らしいと感じるので、ブラックは特に色落ちに拘った。」
—インディゴとホワイト以外のジーンズは種類がたくさんあるのですか?
林「基本的にはカラージーンズはたくさん存在するが、どれも色落ちはしないもの。ブラックは色落ちするが、インディゴと染料の成分が違うので、※1 中々色落ちしない。ましてやホワイトやブラックは、セルビッジの生地が存在しなかった。そこをブラッシュアップしたかった。」
※1 一般的なブラックジーンズは、インディゴよりも染料の粒子の大きさが違うため、色落ちするまでに時間がかかるのと、中々色落ちしないのでインディゴのような縦落ちをしないらしい。
難航した点は、一番大切にしている色落ち/ゴーストブラックとの出会い
—ブラックジーンズ。やはり1980~90年代のものがイメージとしてありますが目指したのはその辺りでしょうか?
林「それはなかったが、ベースとして頭の中に合ったのは、※2 先染めという経糸が黒、緯糸が生成りのインディゴのジーンズのモノトーンVer.。頭の中にイメージするのはRESOLUTEの色落ちをしてくれるブラックジーンズ。そこで試作段階では経糸にブラック、緯糸にインディゴと同じ甘織りの糸を使った。確かに毛羽は立ち、良い色落ちはするが色が落ちるまでに時間が掛かり過ぎるのがネックだった。」
最近穿き下ろしたという林氏のGB710
林「そこで、RESOLUTEのロープ染色を行っている工場に相談して、インディゴ同様穿き込む事で自然に色落ちする新しい染色技術ゴーストブラックを用意してもらいました。」
—その染め方はどういったところが他と違うのですか?
「最中を想像してみて下さい。ジーパンの経糸はロープ染色と言って、皮=糸の外側だけ染まっています。中の餡は染まっていない。それが摩擦によって表面が擦れて色落ちする。これまでのブラックジーンズは、その表面が濃かったのと、最中の餡子の部分の量が少なかったのです。ようは皮が分厚かったんですね。ゴーストブラックは、経糸は同じですが餡がしっかりと詰まっている。餡が多いと皮は薄くなるので、色落ちが早くなる。こういった理屈ですね。」
—実際に色落ちは早くなりましたか?
「同じ条件で、前段階の試作と製品と同じゴーストブラックのサンプルで穿き比べてみたが、色落ちの速さは圧倒的。結果的に糸は後者で製品化します。あとはインディゴと一緒。710は経糸と緯糸の太さが一緒なので、ジンワリとフェードしていくような色落ちをするし、714は経糸の方が太いので、しっかりとタテ落ちを楽しめる。穿いて洗うだけでアタリがついて、綺麗に色落ちする。正にRESOLUTEが理想とするジーンズの形となった訳です。」
—そういえば今回は710と714でブラックを作るのですね。何か理由があってでしょうか?
「より多くの方にハマる形が良いと思った。710は僕みたいな足が細くて、お尻の小さい日本人の体型が一番よく似合うし、714を作ったことによって、体型的に合わなかったほとんどの方に受け入れられているし、そういう方こそよく似合う。すると海外からのオーダーも増えた。だからこの2品番に絞った。」
着こなしについて
—ブラックジーンズというと、インディゴよりも数は少ないですよね?あまり市場には出回っていない分、穿いている方も少ない印象です。
林「僕も黒いパンツは基本穿きません(笑)でも、インディゴも同じだと思うんです。最初はモッサリした色味のものを、穿いていく内に段々と薄くなり、自分だけの色落ちに完成させていく。インディゴはサックスブルーになりますが、ブラックは最終的にアイスグレーになっていきます。」
—なるほど。グレーのパンツはメンズでは必要不可欠ですもんね。あまりよい色落ちしているブラックジーンズって少ないので。
「スラックスなんかもグレーが多いじゃないですか?合わせる靴も実は自由度が高いように思うのです。」
そう言って手持ちの靴を見せてくれた林氏。ちなみに本日着用していたのは、サンドスウェードのプレーントゥ。
「バーガンディのローファーや、ダーティーバックス。この辺りはアイビー的には正解の組み合わせ。他にCLARKSのワラビーなんかも。王道でいくのであれば、、黒のプレーントゥなんかは間違いないと思います。」
—靴は基本的に、インディゴで合う組み合わせはどれもハマりそうですね。洋服はどうでしょうか?
林「黒のスラックスと見立てれば、ジャケットなんかも合います。これは大阪で仕立てた綿のジャケットで、色鮮やかなオレンジが綺麗。」
—パンツが落ち着いた色合いなので、インナーのシャツも含めで色で遊べますね。
「よりブラックジーンズ感を味わうのであれば、革ジャンも。黒のライダースで、ロッカーっぽく穿くのもええかなと(笑)」
—ラモーンズですね(笑)サイズ選びは同じくで大丈夫ですか?
林「基本的な作りというか、サイズ感はインディゴと同じくです。一点だけ言うと、ブラックはインディゴより少しシュッとして見えます。穿き心地や、ゆとりは変わりませんが、見た目はやや細く見えるので、そこでサイズを上げて穿くのも良いでしょう。僕もそうしています。」
この日の林氏は、いつものFEMのボタンダウンにブラックジーンズ。足元はダーティーバックスというTHE アメリカンスタンダードな出で立ち。
林「RESOLUTEはレプリカではないから、あるものは作らないし、全く新しい物も作らない。自分の頭の中のイメージのブラックジーンズを作った。毎日穿くものだから、それなりに色が落ちたらやっぱり幸せです。じゃあ黒い時はキレイに合わせたら良い。ツイードのジャケットに合わせるのも良し、反対に白いスニーカーで合わせるのも良し。あまり意識せずに何にでも合わせて、ブラックジーンズを楽しんでもらいたいですね。」
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ここまで作り込んだブラックジーンズは、世界中探しても多くはありません。私たちが暮らす日本で、私たち日本人が綺麗に穿けるバランスで作られたRESOLUTEのブラックジーンズ。是非こちらは手にして頂きたく存じます。
こちらは2025年デリバリー予定。販売時期、方法については決定次第でこちらのBLOGやINSTAGRAM、WEBSHOPにてお知らせしていければと思います。
【RESOLUTEゴーストブラック】
●型番・モデル:710と714の2品番
●サイズ展開:710(87サイズ)、714(33サイズ)
●販売価格(税込み上代)
710 W26~34 ¥28,600-
710 W36~40 ¥29,700-
714 W28~34 ¥33,000-
714 W36~40 ¥34,100-
●デリバリー時期 2025年
●販売時期 未定(決定次第、ブログ、インスタグラムにてお知らせいたします)