こんにちは、ZABOU坂口です。
また会いましたね。
今週はブログ多めですみません。
洋服好きになったら一度は憧れる一生モノの服。
恐らくそんなものは幻想で、一生着られる洋服というものはほとんど存在しないのだと思います。
マイナスな意味ではなく、それだけの仕様に耐えられるファブリックであったり、そもそも頑丈な物でもヤレてカッコ良い洋服もあれば、みすぼらしく見えるものだってある。その前に自分の気分が変わってしまったりだとか。
だからこそ、適度に買い替えなどでアップデートする必要があるのですが。
ただ、0ではなく実際に人から人へと受け継がれていく、100年前の洋服がいまだに存在していることも事実です。
そういったアイテムはワークウェア、ミリタリーウェアや、アウトドアウェアなど、そのどれもが過酷な環境で使用することを目的としており、
自分の知る限りそういった洋服が多いのはアメリカがダントツです。
そんな中で、ワークウェアでもアウトドアウェアでなく、民芸品としての成り立ちから続いている洋服って、意外に少ないように思います。
カーペットやコースターなど、様々な生活の一部を自分達で作る、チマヨ村の特産品であるチマヨベストも、数十年に渡って愛用頂けるアイテムの一つかと思います。
チマヨベストの歴史は17世紀後半から18世紀にかけてスペインからの開拓者の中にいたガブリエル・オルテガから始まる。
チマヨ三大ウェビングショップの一つ、オルテガはその名前の通り、始まりのチマヨラグメーカーとなる訳だが、そこから派生したのがセンチネラやトルフィリオス。
素材にはチュロと呼ばれる特産の子羊の毛を仕様。今や絶滅を危惧されるこちらは、毛足が長く虫にも食われにくい、非常に良い素材です。
しっかりと目を詰めて織る事によって、着始めこそ硬さはありますが、徐々に柔らかく体に馴染んでいきます。
ZABOUの試着室に入ったことのある方ならご存じかも知れませんが、カーペットにはチマヨラグを採用、長年踏まれることによって柔らかくなりますが、今でも形を保っております。
では何故トルフィリオスなのか。オルテガがオリジナルで現存しているのであれば、Levi’sやセントジェームスみたいに、それだけ取り扱っておけば良いのではないか?
答えはトルフィリオスにしかできない技術や仕様などがあるからです。
トルフィリオスのチマヨベストの特徴は、シームレスという点。
脇に縫い目がないので、見た目の印象もクラシック。
実はこの仕様が出来るのはトルフィリオスだけなのです。
ただでさえ手間のかかるこの手法に、別注モデルには今回スリットも付けてもらいました。
また、個人的には必要だな(というか持っているベストに全てについているので)と思い、ポケットも付けてもらいました。
一応iphoneも入るサイズです(坂口調べ)
トルフィリオスのチマヨベストには、レザーのクルミボタンではなく、シルバーのコンチョがつきます。
何も気にせず着るだけで、若干くすみも出てきます。
フロントは同じデザインですが、裏は色によって変更しています。
ブラウンはナバホ族の説話に度々登場する伝説の鳥「サンダーバード」。
ターコイズには先代のジョン・トルフィリオが使用していたクロスインクロスを使用しております。
こういった細かいオーダーを受けてくれるのもトルフィリオスの良さでもあります。
基本的に、チマヨ織りは縦横の動きに関してはあまり難しくないので、矢羽根デザインなどは多く存在します。
斜めにラインが入るデザインというのは非常に手間がかかり、その分コストアップを求められるそうです。
また、過去に使っていたデザインを掘り起こしたり、新たなデザインを企画するなどすれば、値段も上がります。
そうそう日本からのオーダーもないこの状況で、このようなオーダーをするのだから、出来るだけ好きなものを”全部乗せ”したベストをオーダーさせて頂きました。
おかげさまでブラウンはSサイズがラスト一点。(これも元々自分が買うつもりだったやつです)
ターコイズも各1点ずつとなりました。よく「何に合わせたら良いか分からない」というお声も頂きますが、実は簡単です。
自分自身も初めて買ったチマヨベストがこのターコイズでした。
ブラウンは比較的暗めのお色なので、オフホワイトやターコイズを散りばめていますが、このターコイズは主張もそこそこに、オフホワイトとのツートンにしました。
このようにライトグレーの洋服は、ニットであったり、スウェットであったり、秋冬は特に多くなりがちかと思います。
勿論SAINT JAMESのウエッソンも。
個人的によくやるのがオフホワイトやグレーなど、日頃よく着る色との組み合わせで、今でも買った時と同じテンションで着れています。
やっぱりチマヨって良いなぁ。また、ミリタリーオリーブとの組み合わせの好きなスタイル。
パンツで使うのも良いですが、個人的にBARBOURやモッズコート、最近入荷したFORTISなどといったハイテク感のあるアイテムであっても、
そのギャップがまた面白く、差し色にもなってくれるため重宝しています。
やはり一番好きなのがデニムやシャンブレーとの組み合わせ。
同系色だからすんなり馴染みますし、色落ちしたデニムなら尚更
●ベスト TRUJILLO’S(トルフィリオス) サイズ:S ¥107,800-
●シャツ SERO(セロ) サイズ:14 ¥14,300-
●パンツ RESOLUTE(リゾルト) サイズ:32×28 ¥25,300-
●シューズ G.H.BASS(ジーエイチ・バス) サイズ:US7 ¥28,600-
モデル 身長160㎝ 体重60㎏ 足のサイズ約25㎝
寒ければオリーブやベージュ、ネイビーといった定番所のアウターのカラーにはバッチリハマりますし、暗めのアウターがより一層多い方にはお勧めです。
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円安の影響や、物価高騰が続くこの世の中。
物を選ぶ基準が大きく変わり始めています。
自分自身、無駄な物を購入するより、ずっと着続ける事が出来る。また、長い時期着られるものなど一過性ではない洋服を、より一層好んで着るようになりました。
一見するとクセが強く、合わせ辛く思えるようなものも、実際に着てみて分かる汎用性の高さ、手持ちにはない新鮮さ。
そして長い年月の着用にも耐えうる耐久性など、魅力は言葉だけでは伝わりません。
是非、店頭にて時間をかけて試着してみてください。洋服がもう一段階楽しくなりますよ。