週刊ZABOU「MOON CASTLE(ムーンキャッスル)の贅沢冬ニット」

今年のZABOUは特にニットが豊富。
様々なブランドからリリースされ、定番新作問わずご好評頂いております。

今年の春に取材させていただいた際も、大変ご好評だった株式会社月城ニットがお送りする「MOONCASTLE(ムーンキャッスル)」も例にもれず。

今季のニットが出揃いましたので、改めて月城さんにもお話を伺いしました。

「ブランドとして2年目を迎えましたが、セレクトショップでの取り扱いが増えたことを機に、少し挑戦的なこともできるようになりました。具体的には昨年に比べて展開モデル、色、サイズにおいて全て増やしております。ブランドとしての認知度も高まっておりますので、充実してきたと思います。また、昨年からの継続モデルも、少しアップグレードしたものもございます。」

—それでは今年の冬のラインナップを見て参りましょう。

洗えるウールを使用した、着心地抜群のハイゲージニット

MOONCASTLE(ムーンキャッスル) WOOL CREWNECK  ¥9,900-

ややハイゲージの12Gで編みたてたクルーネックとタートルネック。

月城「オーストラリア産メリノウールを使用。19.5ミクロンという比較的繊維の細い糸を使用しております。こちらの糸にパソラン加工という特殊なコーティングを施すことにより、縮みにくくしております。それだけではなく糸が工場に届いたあと、編みたてる段階でも縮絨加工を施し、再度縮みを抑えています。」

アイスコットンと同じくで、ビジネスシーンでも通用する、普遍的なサイジング、ソリッドでマットな配色。
作りの良さは春夏にご購入いただいた方なら、その辺りは確認不要かと思います。

加えてウールニットの最大の難点であったケアまでしやすくなっています。

月城「天然繊維ではありますが、それなりに耐久性があって洗えて扱いやすい。それでもケアはある程度してあげた方が良いかと思います。例えば…」

月城「洗濯の際は裏向きでネットに入れてあげるなど、より長く着て頂く為にもケアはしてあげた方が良いです。」

クルーネックですが、12Gという絶妙な薄さで使い勝手が良い。
ジャケットのインナーとしても、単体やシャツと重ねるなど、様々な組み合わせがしやすいクルーネック。


月城「取引先のお店でも、クルーネックが一番よく売れています。今季改良したタートルネックも既にご好評頂いております。」

MOONCASTLE(ムーンキャッスル) WOOL TURTLE NECK  ¥9,900-

既に入荷済みのタートルネック。
どの辺りを改良されているのでしょうか?

「昨年初めて作った時もご好評頂きましたが、その中でお客様にアドバイスとして襟元のリブは極力見えない方が良いよ、とお声を頂きこの辺りを改善しました。」

「ボディとネックのつなぎ目、ここを狭めることによって着用感は楽なのに目立たない。着心地はそのまま、見栄えは良くなっています。」

ユーザーの声を取り入れながら改善を重ねていく姿勢は、おおよそ創業から半世紀以上続くニット工場とは思えないほど謙虚。
月城さんの人柄にも共通するものを感じました。

そんなMOON CASTLEが今季初の展開となる「全く新しい挑戦」として発売したのがこちら。

他社メーカーとは逆の方向を作りたかった-育てるカシミヤセーター‐

MOONCASTLE(ムーンキャッスル) CASHMERE SWEATER   ¥55,000-

まず、この厚みでありながらカシミヤ100%。
ファクトリーブランドだからこそ出来るプライスです。

ただ、魅力的なのはプライスだけでなく、素材やストーリーにもあり。

月城「どうせやるなら、他がやっていない、出来ないことをやろうというのが当初からの目的でした。」

「カシミヤのニットというのは素材がとにかく高級で、他のメーカーさんだと((軽くて柔らかい))という方向性で作り出しています。それならばギッシリと度詰めしたカシミヤはどうなんだろうということで、片畦編みでボリューミー、しかも度詰めのセーターを作りました。」

「当初は両畦編みで作ったのですが、とても重たくて着にくい、カシミヤの特性を引き出せずにいました。そのあと片畦編みに改良して軽さはクリア。かなり多くの量を使用しているので、厚みがあってとても温かいです。」

—確かにここまで分厚いカシミヤニットは僕も初めて見ました。ヘビーな見た目とは裏腹に、着心地はとても滑らか。
良い意味で期待を裏切ってくれますね。

月城「片畦なので毛羽も立ちにくく、着る程に柔らかくなっていきます。カシミヤならではの経年変化もゆっくりと楽しめる内容となっておりますので、長く愛用してほしいですね。」

「実はカシミヤの紡績工場は日本に片手で数える程しかないのです。そのうち大阪に2件。実はあまり知られていないのですが、カシミヤと言えば大阪なのです。大阪で紡績したカシミヤを、同じ大阪で編みたてる。そんなブランドを象徴とするセーターが完成しました。」

—形はマリンセーターを彷彿とさせる、シンプルながらとても男らしいデザイン。育てるセーターというコンセプトに相応しい見た目にもなっている。

前後非対称のやや立ち気味のネック。カシミヤという繊細な素材のイメージとは逆のデザイン


そんな育てるカシミヤセーター。今回同じ東洋紡糸からリリースされるニット用のブラシも同時発売。

東洋紡糸 ケアブラシ  ¥7,040-  (近日入荷予定)

埃や毛、繊維などを絡めとることにより、ニットの寿命が長くなり
十年は着られるというカシミヤニット。しっかりとケアをしながら楽しみたいですね。

また、カシミヤを使用した小物も続々と入荷中。
フワフワの手触りをお楽しみください。

月城「昨年はマフラーが圧倒的に人気でした。セーターに負けず劣らずの人気で、秋冬はギフトとしても選んで頂きやすいと思います。また、口部分は補強しておりますので、素材同様簡単にはへこたれません。」



春夏シーズンに引き続き、ファクトリーブランドの良さを活かしたモノづくりが好評のMOON CASTLE。
定番商品の継続はそれだけでも、私たちみたいなお店には嬉しいですが、
常に私たちの声をしっかりと反映させてくれ、改良を重ねるその姿勢。新しい挑戦を続け世の中にない物を作ってくれる。そんなニットブランドだと思います。

これからの寒くなる季節、ニットは欠かせない存在となっていきますが、そんな中で手に取りやすく、しっかりと良さを感じて頂ける商品がたくさん。
まずはご試着から、気に入れば多色買いもお勧めです。

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