BARNSTORMER(バーンストーマー)POPUP特別編「チノパン、基本の”キ”」①

今回は定番のチノについて深く掘り下げていこうと思います。
いま改めて、日本製のチノパンの礎とも呼べる定番チノについて、BARNSTORMER 代表海老根紋郎氏にお話しを伺いました。

坂口:—まずチノパンについてお聞きします。

海老根氏:元々はイギリス軍が第一次世界大戦中にインドへ進軍した時、砂漠の土の色に制服を染めたことが、事の始まり。
その当時の色をブリティッシュカーキと言いますが、BARNSTORMERではその色を採用しております。
また、パターンは士官が着用するものからきているので、ドレスパンツの作りとなっております。

坂口:—ブランドがスタートしてから早44年程経ちます。元々はお父様が始められたブランド。記憶に残る最初のBARNSTORMERはいつ頃でしょうか?

今年ZABOU×BARNSTORMERとのコラボレーションで実現した1001P ブラック。

海老根:1990年バーニーズニューヨークが日本に初出店した年、本国の社長自らBARNSTORMERに別注のブラックのチノパンの依頼がありました。
ブラックは当時のBARNSTORMERにはなく、バーニーズのブランドカラーであった為だと思います。
そこでBARNSTORMERはブラックのノープリーツ、2プリーツをバーニーズの為に制作しました。

その頃ベイズウォーターがボタンダウン、ベースがポロシャツとそれぞれを製作。トラッド御三家と呼ばれる3社がバーニーズのフロアの一角に並びました。

坂口:—本国の社長自ら依頼とは驚きです。
そんなアメリカも認めたBARNSTORMERのチノパンは、海老根さんの代になってからも当時のベースを崩さず
改良を加え作られ続けています。
では、現在作られる定番3型のそれぞれの特徴を教えて下さい。

1002P ツータックチノ

BARNSTORMER(バーンストーマー) ツータックチノパンツ カーキ  ¥17,380-

坂口:—定番3型の内の一つ1002P、ツータック(プリーツ)チノ。BARNSTORMERで一番初めに作られたチノとなります。
こちらはモンロウさんが同色で仕様、サイズ違いで3本お持ちとの事。

海老根:一本はセンタークリースを入れて、3㎝でやや細めのダブルで。2本目は短めの丈でスニーカーに合わせて。今日穿いている一本はクリースなしで1サイズアップ。

海老根:—ストリートライクな服装の時によく穿きます。あとネイビーのチノですが、デニムとは違った雰囲気で合わせられるのがポイント。とはいえデニム同様のコーディネートで合わせやすいので、
似たトーンのブラウンと合わせてコーディネートを組んでいます。
日本はどこでもデニムを穿いて行けてしまうけれど、自分でこの場所はもう少しきれい目な恰好で行こう、なんて変えてあげれば良いですよね。

フランスのROYALTIESのソックス。最近では見つけたら購入するのだそう。
クリーム色の靴下は海老根氏にとってマストアイテム。

坂口:—確かにTPOを使い分けられる大人は素敵だと思います。

トップスは英国FRED PERRYとGORILLAZとのコラボ。
ボトムスが芯のあるアイテムだからこそ、トップスで遊び心を。

1945P マッカーサーⅡ

BARNSTORMER(バーンストーマー) マッカーサー2 カーキ  ¥20,900-

坂口:—1945PマッカーサーⅡのチノはどのような経緯で作られたのですか?

海老根:—マッカーサーはワンランク上のチノを目指して作りました。股上深めのクラシックなシルエットでツープリーツ。丁度このコールドマーセ(生地に樹脂を凍らせながら浸透させる加工)が出来る工場が見つかったので完成に至りました。

坂口:—ZABOUでも一番の人気を誇るパンツ。他のモデルよりもクラシックに感じますが、それでいてどこか今っぽい。

海老根:—太いけどテーパードが緩やかに入るので、どんな体型の人でも合います。

坂口:—短めのダブルで裾上げされる方が多いですが、モンロウさんは変わった穿き方されますよね。

海老根:—あまりチノパンをダブルで穿く考えがなくて。。。勿論ダブルで裾上げするものもあるけど、あえてクラシックなチノパンをたたき仕上げでルーズに穿くのも好きなスタイル。靴に合わせてロールアップしたり、そのまま穿いたり。。。

袖がベロア調になったスウェット。パンツのカーキとのコントラストが美しい。
ストリートよりなスタイルでも良い感じに馴染みますね。

1001P ノータックチノ

BARNSTORMER(バーンストーマー) ノータックチノパンツ カーキ  ¥17,380-

海老根:—アイビー的な着こなしにはこのノータックチノがお勧め。
以前ZABOUさんでも展開していたサンドカラーで。

坂口:—僕もこれ買いました。
こちらはダブルで仕上げられていて、クッションの付く穿き方が新鮮です。

海老根:基本あまり短く穿かないですね。基本ハーフクッションから2クッションくらいで穿くことが多いですね。

海老根:—マドラスのボタンダウンにタックイン。
ネクタイは無地でも良いけど、こんな感じで淡い色のボーダーだと
程良く馴染んでくれるから良いですよね。

坂口:とっても良いスタイリング。真似したくなっちゃいます。

定番モデルだけでもこれだけ種類が豊富なBARNSTORMERのチノ。
迷ってしまう方も多いのでは?一番初めに穿くならどれが良いですか?

https://www.barnstormer.tokyo/archives/367

海老根:BARNSTORMERのチノは、ゆとりを持たせた作りとなっています。これはただ単純に緩い訳ではなく、人間の下半身のカーブに合わせた作り。基本的に既製服にはない概念で作られているのが、BARNSTORMERの強みです。

なので、どんな体型の方が、どのモデルを穿いて頂いても合う作りとなっているので、お好きな物で大丈夫です。

ただ、僕のBARNSTORMERは1002Pから始まったので、まずはこちらを試して頂きたいですよね(笑)

坂口:—確かにスリムなパンツは数あれど、自分の体型に合わず諦めてしまうことが多かったのですが、BARNSTORMERのパンツは美しいシルエットなのに、穿いていて楽なんですよね。

最後になりますが、BARNSTORMERのパンツの魅力について海老根さんにお聞きします。

海老根:BARNSTORMERのパンツはその人のキャラクターに合わせて、様々な見え方になります。
それは穿く人を際立たせるという意味です。決してパンツが強く出ずに、それでいて綺麗にまとまります。

製品のままではある意味半完成品。穿く人があくまで主役で、穿いてこそ完成するという考えです。
自信を持ってお勧めします。

坂口:—海老根さん、本日はありがとうございました。



さて、モンロウ社長の着こなしを交えての定番チノの紹介如何だったでしょうか?
人柄を表すようなスタイリング。ジーンズに様々な着こなしがあるように、チノパンも自由な着こなしで良いのではないでしょうか。

有難いことにBARNSTORMERのチノを求めて日々ご来店を頂いております。
実はアパレル業界でもBARNSTORMERのファンは多いんですよ。

あまりに濃い内容となってしまいましたので、そちらは第二回でお楽しみください。

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