フィッシャーマンニットの究極形態/ANDERSEN-ANDERSEN(アンデルセンアンデルセン)レビュー

こんにちは。ZABOU坂口です。
今朝からかなりの冷え込み。まだ半袖で寝ている自分にとっては(この時点でおかしい)、風邪ひき秒読みでございます。

それもあってかスーパーの鍋コーナーには様々な鍋用スープが並びます。
年中、最低でも週一で鍋をやっているせいか、このタイミングで出た鍋スープを買い漁るのに抵抗を感じます。
「鍋ミーハーが、、、」と悪態をついてしまいそうになりますが、とは言え、様々な種類から選べるのは本当に良い時期となりましたね。
今年はモランボンの悪魔の肉鍋に次ぐ、感動のスープを探すのに、時間とお金を費やそうと思います。


さて、先日からオススメしているニットシリーズ。
今年のニット一発目は何にしようかな~と思ったいたところで、まだ持っていなかったこちらが気になりました。

ANDERSEN-ANDERSEN(アンデルセンアンデルセン)


フィッシャーマンニット=海の男のセーター。
ボートネックとか、未脱脂とか、アラン編みとか。。。
屈強な男のセーターって感じで、特に好きです。


SAINT JAMESにしろ、ガンジーウーレンズにしろ、それらの類のセーターはたくさん着てきました。
やっぱり丈夫で、温かいし、緩めのサイズ感が気分の時でも、これだけはタイト目に着たいと思っていましたし、そんな哲学を感じられるのもフィッシャーマンニットの凄いところ。

ここ数年護符沙汰だったものの、本能的に好きな物なのか。
この冬ついに、アンデルセンのセーターをデビューさせるのでした。


2009年デンマークにて創業のANDERSEN-ANDERSEN(アンデルセンアンデルセン)。海洋国家であるデンマークに伝わるセーターを改めて見直し、大切に作り、大切に長く愛用してもらう。そんな気持ちが伝わってくるニット。
現在ではコスト的にも難しくなってしまった作りを、高品質かつ丁寧に編み上げることで、今では世界中で展開するニットメーカーとなりました。

このセーターの最大の魅力は、5Gの肉厚な所。
それも元々糸の太いメリノウールを使用しているのもポイントです。
そんな太い糸をギチギチに度詰めで編みこんだアンデルセンのセーターは、手で持つと重くて堅いですが、
実際に着ると、肌にしっかりと沿ったラインとなり、重さが分散されることから、あまり重さは感じられません。
この辺り、ガンジーセーターをお持ちの方なら頷いて頂けるかと。

そして、この素材となるメリノウールも、防虫効果滅菌作用など自然の恩恵を感じられるNATURALな素材となっております。
そして、これもフィッシャーマンニットを起源とするこちらの特徴でもあるのですが、こちらのメリノ糸は未脱脂
糸本来の油分を落とすのではなく、そのままにすることで、風を通さずに温かさが持続するといった利点もあります。
好み分かれるところですが、個人的にはこの未脱脂のウールの臭いが大好きで、、、ウール製品の醍醐味でもあると思っております。

特徴的な畦編みですが、これも伸縮性を持たせる編地の一つで、タイト→ジャストで着たときに、しっかりと伸びてくれ、編みこみが強い分キックバックで戻ってくれます。伸びたら伸びっぱなしのローゲージとは違い、脱ぐと元のサイズに戻ってくれます。
そういった点ではかなりこの畦編みは理にかなっていると思いますね。

今季はこちらのナチュラルトープと、ネイビーブルーの2カラーでオーダーしました。

特に今季初展開させて頂くナチュラルトープという色目。
染織を行っていない原毛に限りなく近いので、ネイビーよりも気持ち軽く感じます(気のせいレベル)。
ただ、その分臭いもよりオイリー。たまりません。。。

フルファッション(ド)製法と呼ばれる製法にて作られるニットですが、本来はハイゲージのニット向きの製法。
5Gの、それも畦編みのこういった仕様はあまり見たことがありません。
日本ではまず無理でしょう。その為、ヘビーゲージながら、体に沿った美しいラインが生まれるのです。

袖口はターンナップ仕様。
もうご存じの方も多いかと思われますが、伸ばすとアームウォーマーになります。
こういった使うか使わないか分からない仕様も好きですし、実際物作りの背景としては充分かと。
けっこう指通してもらったら温かいですよ。

ガンジーセーター然り、袖がやや短めとなっているので、日頃からアクセサリーや時計をする私にとっては、けっこう貴重なディテールとなっております。
ですが、ターンナップの場合袖の長さは調整して頂けるので、その辺はご心配なく。

クルーネックという名称ですが、少し立ち上がったガンジーセーターなどに見られるネックとなっておりますので、
少し上品な雰囲気はありますね~。

ちなみに私物なのですが、こちら一回洗濯して着用しております。
袖が思ったよりも長かったのと、身幅もダボ付きがあったから。
ニットの事を考えるとあんまりなのですが、乾燥機も一度かけております。。。

気持ち毛羽が立った程度の変化はありますが、それでも毛玉は出来ず、
編地自体が柔らかくなった印象です。身幅や袖丈は3~4㎝縮んで、よりジャストサイズになりました。
新品の状態から比べると、とてもしなやかで柔らかくなった(気がする)。。。
自己責任にはなりますが、このような雑なケア方法でも耐えてくれるのは、アンデルセンならではかと。

一応
新品着用写真も
貼っておきます

 BEANIE SHORT&SHORT SCARF

そして今回、初の小物も展開させて頂く形となりました。
こちらも同じくの5Gですので、しっかりと暖かさと、経年変化をお楽しみ頂けます。

帽子もスカーフも、同色での着用。コレはこれで可愛いですね。
どれも制服化したいレベル。
個人的にこの手のニットは穴が開くまで着たいし、開いても補修したいタイプ。ただ、穴あくまで何十年かかるのでしょうか。
本当に着たときにバランスの良さ、ファッショナブルでありながら、そういうものとは無縁の普遍性は、
ニット界の王様です。

“Made for Sailors Hunters and Looking Good”
こういった所も、北欧らしくて好きです。

中々お値段のするニットですが、それでも手にしたときの喜びだけでなく、
長年着ていき、気が付いたときに良い感じになっている。
フィッシャーマンニットのDNAを受け継いだ、かなり頑丈なニットですので、
しっかりとしたニットを、時間をかけて育て上げていきたい。そんな方に是非お試し頂きたい逸品です。



この記事を書いた人

坂口

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