
昨年よりお取り扱いがスタートした日本のファッションブランドWORKERS(ワーカーズ)。
今回、岡山にある事務所にお伺いし、インタビューを行いました。
第二弾は舘野氏のモノづくりについて色々とお話しを伺いました。
WORKERSさんは毎回カタログ、LOOKBOOKを製作されていますよね。
「お客さんにこう着て欲しいという指標を作っているつもりはないです。LOOKって作る側の内面が現れる部分があると思うんです。例えばコレクションブランドでも、リアルじゃない着方を提案されているところもある。僕はリアルに着られる着方をLOOKで反映させているつもりです。HPでも商品解説などを書いていますが、それを今やってもやらなくても、大差はないと思うんです。ただ、見ている方がいるということを信じて作っています。」

LOOKがリアルな着方っていうのはとても伝わっています。
「自分が元々着る側の時期が長かったし、買う側の気持ちを永遠になくさないようにやっている部分は強いと思います。TOYOTAの社長だって、車がとても好きでしょ?やっぱり作る側が好きなモノを作っていることが大事だと思うし、ビジネスだと割り切ってやるのは僕は好きじゃないです。」
様々な作業工程をほとんどご自身でやっていて、特に楽しめている部分は?
「カタログが出来上がったとき、展示会でサンプルが全て並んだ瞬間は嬉しいな、やっていて良かったなと思います。ただ、そのあとは製品をきちんと納められるか、問題なく着てもらえているか、ちゃんと卸先で売れているかなど、ただただ不安です(笑)そういう不安な気持ちが強いから、今でも続けられているかもしれませんね。」
舘野氏の靴コレクション…ではなく、LOOK撮影用の靴。微妙な色違いの靴もイメージに近付けるためには。欠かせないのだとか。あの時のスタイリングにはこの靴の色だったな…と後悔したくないと舘野氏は語る。
とても自信満々に見えたので、ちょっと意外でした。
「ただただ気になるんです。この部分はこれで良いのか?大丈夫だよな?と。だからこそ自分ひとりでパターンを引きます。人に任せていると自分で気づけないし、直せない。そういった性格だからこれまで続けてこれたのかもしれません。」
着潰せる洋服を作りたい
WORKERSのユーザーに対して、どういったことを大事にご提案されていますか?
「やっぱり一番は品質と価格のバランスです。あと、先ほどの話にもありましたが、リアルに着れる服を目指しています。買ってくれるお客さん以外にも、作り手さん(工場)が良いよね!と言ってる洋服を作りたいなと思います。よく工場さんが((WOKERSの服は分かる。だって自分たちだって着る服ですよね))と。やはりそういった作り手にも買いたいと思ってもらえる服を目指しています。」
WORKERS MODIFIED B.D / 27SSでZABOUでも展開予定
「例えばボタンダウンは、何度も何度も、様々なメーカーの物を解体し、分析しました。
それは単純に見た目の部分もそうですが、着心地の良さであったり、様々なブランドが作っているにも関わらず、どうしてここのはカッコ良いんだろう、どうしてここのは古臭く見えてしまうんだろう。気になって色々と調べてみると、細かいサイズ感だったり、仕様だったりする。そうしてウチのボタンダウンは出来上がっていきました。」

「お客さんがリピートしてくれる(=また買ってくれる)洋服も大事ですよね。何となく着ている洋服を目指して作っていますが、その裏にはパターンを考えて着心地を良くしたり、素材もデリケートすぎるものはあまり使わない。何となくボロくなったときに雰囲気が出て、最後は着潰しておしまいになるような洋服を作りたかったんです。」
確かに私物でもボロボロになっても格好良いので、ずっと着てしまっている洋服が多いように思います。
「今年の新しい洋服を買う為に、前の年に買った洋服を売るっていう習慣が昔からあったんですよ。それって不健全だな、それにはなりたくないなって。だからこそこ着潰せる洋服を、目指して作っているのかもしれないです。」
WORKERSでは、用途がはっきりとした洋服(ミリタリーやワークなど)がベースの洋服が多いように思いますが、それとは違った洋服はありますか?
「来年の春、久しぶりに展開するRAF PARKAなどは、ベースはイギリス軍のミリタリーパーカですが、フード部分はアウトドアパーカーのデザインを持ってきているし、フロントの二重ポケットなんかは、自分の頭の中で頭の中で考えた仕様だし、色々とミックスしたデザインも好みます。」

ZABOUでも販売予定。
FORESTIERについて

9月納品の目玉であるFORESTIERについて教えて下さい。
「休みの日までラペル付きのジャケットを着たくないといった方に向けてのジャケットです。元々はフランスのARNYS(アルニス)が作っていたジャケットをベースに作っています。」

「特徴としてはジャケットなんですけど、ベースはシャツのパターンなんです。また、襟も通常のスタンドカラーと比べると、閉じた状態が通常といった変わった作りとなり、開けて着たときの違和感に繋がります。それをそのまま再現しています。用途としては分かりませんが、カバーオールのような立ち位置になるのかなと。」

「スタンドカラーのデザインが特徴的なFORESTIER。こちらのコーデュロイや、あとに紹介するツイードは生地が分厚いので、襟の収まりが良くないのと、肌当たりも考えてスウェードタッチのコットンフランネルを取り付けました。ヴィンテージでもそのようにレザーの切り返しが使われているので、そこも意識しました。」

「今シーズンのツイードはウール95/ナイロン5%の生地を使用しています。
実際はウール90/ナイロン10の糸に、ウール100%の糸を巻き付けているので、こういったメランジのような見た目となります。」

「参考にしたのは、90年代後半のドメスティックブランドのコート。昔から好きでジャケットとかオークションで購入して着ていました。」

「アームホールも太く、腰に絞りもないので、カバーオールには近いのだけれども、アメカジとは違った解釈で着れる。下はミリタリーパンツでも良いし、チノパンでも良い訳です。」
個人的にはインナーに厚手のニットを着れるので重宝しています。

「そう、カマ(肩から脇線までの距離)があるのと、肩が本来のアームホールより少し外に出気味なので、着心地もゆったり感じてもらえると思います。アランニットなど分厚いニットも着れます。本州だとコートの代わりにもなりますので、是非。」


左:WORKERS(ワーカーズ) Forestier, Twisted Herringbone Tweed, ¥45000
右:WORKERS(ワーカーズ) Forestier, Heavy Corduroy Brown, ¥40000
WORKERSとLOUNGE JACKET

先ほどのFORESTIERとは近いと思いますが、カバーオール的に着れるジャケットの代表格として、LOUNGE JACKETがあると思います。
「今日着ているのも昔から展開しているLOUNGE JACKET。私物はこの秋にも登場したオリーブチノです。縫製や生地はカバーオールのようで、傷みを気にしなくて良いので、リュックなんかも背負えます。」

「これもその時々によって、生地を変えたり、形を変えたり。今展開しているモデルとは違って、アームが前振りになっています。袖もパンツと同じタタキ処理となっているので、袖丈直しも簡単です。我ながらよくできていると思います(笑)」

縫製仕様はワークウェア。洗濯を繰り返すごとに生まれるパッカリングも美しい。人と会うときも、倉庫作業でも重宝しているのだとか。

実際に自身で製作した洋服を仕事着(WORK WEAR)として着用し、毎日の作業をこなす。
そこから生まれる着心地や改善点などを常に反映させ、次の製品へ。
WORKERSの洋服が、単にレプリカにならないのは、現代社会を生きる人間(=エンドユーザー)をイメージしているからではないだろうか。





