
MOONCASTLE(ムーンキャッスル)のニットを取り扱い始めるようになって早5年。
きっかけは、株式会社月城ニット3代目の亮一さんが自ら、トランクを持って営業をされていた時。
突然の巡り合わせであった。2021年のコロナ禍のことである。
かくいう私も年々暑くなる夏に、これまで着用していたインポートのニットが追い付かなくなり、新たな相棒を見つけたような、そんな高揚感が生まれて、気が付けば先方のオンラインサイトで購入していた。
実際着用してみると、夏場のメイン素材であるアイスコットンの心地よいこと。
まだまだ夏場のニットというものが受け入れられない状況の中、ファクトリーブランドとしての強みを最大限に活かしたこちらの商品の魅力を、顧客様に何とかお届けしたい。。。そういった心持ちで、月城ニットさんの工場に出向いた。
今回の出張で、そんなことを思い出していた。

面積の約80%を山地が占める一方で、大阪湾に面しており、府下で唯一の自然海岸が残るなど海と山の豊かな自然に恵まれている。この豊かな自然の中で、1966年に創業。今年で60年になる。
元々はOEM(他社ブランドの製品を自社で代行して製造)していた過去があり、
主に婦人向けニットを行っていた。私が初めて伺った際もまだ名残はあったものの、現在ではほぼ全てを、男性向け自社ニットブランドMOONCASTLE(ムーンキャッスル)が占める。


前述の夏場のメイン素材「アイスコットン」は、スイスの老舗糸紡績会社、スポエリー社が生み出した綿糸。通常の綿糸の場合、糸に存在する「毛羽」が空気層を作り保温性をもたらすが、超強撚糸(通常よりも強く撚った糸のこと)であるスポエリーアイスコットンは毛羽を限りなく抑制することで、空気層をなくし、それが接触冷感機能をもたらす。

素材となる糸から形を決め込む、MOONCASTLEのニットは、形から着想を得て、素材を落とし込む多くのアパレルブランドとは異なる。ビジネス、カジュアル、ドレス。そのどれもに対応できるニットらしいニットで、より多くのスタイルや生活様式を持つ方々が着用できるよう、基本となる形はベーシック。
ベーシックだからこそ、形には拘る。長年の生産ノウハウ、お客様からのお声を反映して、ジャケットスタイルに合わせた際の見え方も大事にしている。


素材は12Gで、ハイゲージではありつつも、程よい厚みを併せ持つ。
夏場のメイン商材だからこそ、この12G専用の機械はこの時期常に稼働している。

工場の奥にある巨大な選択乾燥機を使って、編みあがったニットに洗いをかける。



パーツ毎に分かれたニットを、このあとリンキング(編み合わせ)、縫製する。
その前に、より編み合わせがしやすいようにアイロンをかける。

ボディ(身頃)はこのプレス機を通って、一着ずつフラットにしていく。

肌に直接当たる襟元などは''リンキング''という、編み合わせる技法によってストレスなく着用できるといった具合だ。
ハイゲージになれば、なるほど難しく、技術が要するのもリンキングが難しいところ。
そこで、先ほどのプレスやアイロンがけが重要になってくる。
こういう一手間が極上の着心地を生み出してくれる。
仕上げのプレスを行い、製品となっていく。
伸縮性のあるニットの最終的なサイズ感を決めるため、蒸気で形を整える。
こちらの工程は、亮一さんの祖父から父へと、代々受け継がれていく。
MOONCASTLE(ムーンキャッスル) ICE COTTON CREWNECK

暑い夏に見た目にもTシャツのようなニットが欲しかった。
MOONCASTLEブランドスタート時期より人気のクルーネック。
襟元のデザインもジャケット映えするリブ仕様に。Tシャツ的に使えるけれども、しっかりとニットらしさを感じていただける作り。
MOONCASTLE(ムーンキャッスル) ICE COTTON POLO NECK

品の良いポロは、スラックスで合わせると、オフィスカジュアルに。
長年連れ添った、愛着のあるジーンズに合わせるだけで、メリハリのあるカジュアルアップにも。
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実直に、丁寧に、この岬町という土地で生まれるニットは、
元々は暑い日本の夏を迎え撃つための、言うなれば思いやりのある作り。
そんなニット、今では遠く離れた海外でも好評なんだとか。
生産量は5年前と比べてもかなり多くはなっているが、安定して供給できるよう日々工夫を凝らす。
より良い商品になるようにアップデートすることも欠かしはしない。
そんな生活に根差したニットを、これからも月城ニットは目指していく。
