SUITS(スーツ)ってそもそも…

来る、8/9(土)、10(日)、16(土)、17(日)の4日間、ZABOU 3FにてHYPERION (ハイペリオン)のSUITSのパターンオーダー会を開催いたします。

このオーダー会、実は、スーツだけでなくジャケットやパンツのみのパターンオーダーも承っております。それぞれ、ジャケットが¥60900-。パンツが¥31500-です。(オーダー会に関する詳細はZABOU ブログ「HYPERION (ハイペリオン) SUITS パターンオーダー会」2008/07/30をご参照くださいませ。)

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(HYPERION SUITSパターンオーダー会のDM)

SUITS(スーツ)ってそもそも…なんなのでしょうか?

冠婚葬祭の時に着用する。仕事で着るもの。非日常時であったり、オフではなくオンの時のものといったところでしょうか?
少なからず、ぼくはそういった認識です。実際のところどうなのか?「GENTLEMAN」を参考に、とりあえず歴史からちょっとだけ紐解いていければと思います。

スーツとは、同一の生地のトラウザーズとジャケットからなる揃いの衣類である。分かりきった説明に聞こえるだろうが、こう説明するにはそれだけの意味がある。19世紀の終わり頃まで紳士が着ていたのは、燕尾服、フロックコートあるいはモーニングに、別の生地で仕立てたベストと、さらに別の生地で仕立てたズボンだった。同じ生地で作ったジャケット、ベスト、トラウザースの3点での組み合わせ、つまりスーツは、当初はまだ、インフォーマルな機会に着るものだとされていた。1930年代の終わり頃になって、ようやくスーツがオフィスワーカーにふさわしい服装として認められるようになった。今日、スーツは優れたフォーマルな衣類として認められている。それでも、スタイルを気にする紳士、特に伝統を大切に考える人なら、結婚式や葬式、大がかりな行事のときには、モーニングとベストに、ストライプのトラウザーズを合わせている。(「GENTLEMAN」より)

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(GENTLEMAN)

現代では、やはり一般的にスーツはフォーマルウエアということで問題ないと思われます。

入学式、成人式、就職活動、就職、仕事用にもう一着‥。いろいろな人生の節目で必用になることも多いことかと思います。「どんなんにしたらええのか分からん。」と言う方も多いと思います。スーツは、本来の顔としてカスタムメイドですが、既製服が当たり前になってることや、カジュアルウエアではなくてフォーマルウエアであって、流行を意識し過ぎたり誤った視点で見てしまうとややこしくなるような気がします。

あくまで、それぞれ個々の体型にあったものがベストではないでしょうか?服ではなく体型に服を合わせて行く事が大事な気がします。人より服が偉くなってはいけませんから‥。パターンオーダーというのは、体にメジャーをあてて一からパーツから作り上げた完全なオリジナル、個人の条件を考慮した注文生産(これらは「カスタムメイド」)ではなく、既製服(今回は2型ご用意してます)のパターンを使い、お客様の袖丈や肩幅、着丈、胴回り、パンツのウエスト等の寸法を合わせた、ただ一つの服です。

スーツは機能服でもあるべきです。お客様の大半が仕事での着用と言うことになるかと思います。体型にあったものを選ぶことによって、ストレスがなくなり運動もし易くなる。しかも、エレガントであればいうことございません。しわが付きにくくて、最適な布地はエレガントにドレープするウールがやっぱりいい。

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(DRESSING THE MAN)

「GENTLEMAN」を参考に、ここで大きく英国のスーツとイタリアのスーツを比べてみたいと思います。
スーツの原型が作り出され、第2次世界大戦まではメンズウエアの流行の中心地であった英国だが、近年は英国人の仕立てには見られないエレガンスに対する感覚を持っているイタリアが優勢である。イタリア人は、自分たちの美的価値観を基準にスーツの生地、色、裁断を選択し、製品化するのに対し、英国では、上流階級から押し付けられた厳格なルールが守られた。

英国人はスーツによって、特定の社会階級に属する「仲間の一員」だということを示そうとする。自分自身を全体の中の一部と考えているので、スーツも個性を主張してはならないと考える。伝統的なルールを几帳面に守り、父親や祖父のスーツと同じようなものを選ばなければならない。他方、イタリア人は人前で格好をつける。スーツは自分の個性を引き立たせるためにある。それも大声で宣伝するのではなく、エレガンスという手法を用いてだ。この点に英国人はあまり関心を持たない。彼らは、ただ正確な着こなしだけを考える。クラシカル・エレガンスこそが、イタリア人が常日頃、復活させたいと願うルネサンスの理想だ。イタリア人は衣服や生活様式にエレガンスを求める。(「GENTLEMAN」より)

今回のオーダー会で取り扱う、日本人が作り出すハイペリオンのスーツ。かっちりとした英国テイストに今の要素(クラシコイタリアとでも言うのでしょうか?)を取り入れているが、流行廃りのないビジネスウエア。まさにええと思える要素をうまくミックスすることで独自のスタイルに仕上げてしまう、まさに日本の大阪のブランドと言ったところです。

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(DRESSING THE MAN)

カッコいいスタイルを追求する上で、スーツに対するいろいろな考え方も外せません。スーツもやはりZABOU styleのひとつです。

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