【寓話】膝を隠して夏を征す

ある暑い夏、中央区銀座。

太陽が街を焦がすとも言われるほどの暑さ。耐えきれない人々は短パンに逃げていた。しかし、その中にどうしても短パンが苦手な青年がいた。

名をタイチョー
汗をかくのが嫌いで、でも膝を出すことはもっと嫌い。彼は毎年夏が来るたびに悩み、悩み抜き、そして夏に敗れていた。

ある日、彼はとあるビルに洋服屋があるのを見つけた。ドアの近くに、オーラをまとう男が一人。

名をキング。彼はここの洋服屋の店長であることから街中でキングという名で親しまれているという。
「君、暑そうだね。僕が穿いているこのパンツ、穿いてみないか?」
タイチョーはここで一つのパンツを提案された。

PROPPER(プロッパー) BDU Trouser Ripstop

見るからに丈夫そうな軍モノ。タイチョーは訝し気にキングから手渡されたそれを手に取ると、思わぬ軽さに驚いた。
「…しっかりしているのに、風を通すのか?」

試しに穿いて歩くと、ほどよくゆとりのあるシルエットが風を捕まえ、まるでズボンごと風になったような涼しさを感じた。

「汗をかいても気づけば乾いている。洗って干せば、昼寝から目覚めるころには乾くだろう。加えて何よりーーーー」

「エイジングが魅力的だ。」

キングはそう言って、自身の穿いているプロッパーを指さし、微笑んでみせた。

キングの説明した機能性に加え、表情のあるエイジング。タイチョーは脳内で雷がコサックダンスをした感覚になった。
「これは俺の夏を変えるパンツかもしれない…」

●トップス ATHOA (アソア) サイズ:M ¥11,000-
●ボトムス PROPPER(プロッパー)  サイズ:S/S ¥11,550-
●サンダル BRADOR(ブラドール) サイズ:41 ¥25,200-
●バッグ BAG’n’NOUN(バッグンナウン) ¥11,880-
モデル 身長170cm 体重52kg 足のサイズ約26.5cm

それからというもの、タイチョーは街でも海でも山でもいつもプロッパーと共にいた。
甘酸っぱい思い出、大好きなストリップに行く時、そして浮気された苦い思い出の時すら…
短パンの波に逆らっても、彼は涼しげだった。
共にいた分、プロッパーは素敵なエイジングで応えてくれた。

そしてある年の盛夏、都道316号沿いを闊歩する青年。
彼は常にカーゴパンツを穿き、涼しげな顔で丸の内線銀座駅改札へ向かい、新高円寺へ向かうのだという。
そんな彼はいつしか「風の民」と呼ばれるようになった。

誰が言い出したかはわからない。
ただ、暑さに負けず、スッキリとした涼し気な彼の姿に、一つの解答を見出したのだ。

※この寓話は暑さに悩むすべての短パンが苦手な方々に捧げます。

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坂本

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