どうも、東京店スタッフの濵地です。
現在開催しております「FAR EAST MANUFACTURING ORDER FAIR」。
25SSのオーダーはもちろんのこと、アーカイブもずらっと並んでおり圧巻のラインナップです。
今回は洗濯後のサンプルもご用意しておりますのでよりリアルなサイズ感をお試しいただけるはずです。
さて、FAR EAST MANUFACTURING(以下FEM)の一番の特徴といえばそのサイズ展開でしょう。
ネック\インシーム | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 |
14 1/2 | ● | ● | ● | ● | ||
15 | ● | ● | ● | ● | ||
15 1/2 | ● | ● | ● | ● | ● | |
16 | ● | ● | ● | ● | ||
16 1/2 | ● | ● | ● | ● | ||
17 | ● | ● | ● | ● |
通常S、M、Lとサイズ展開されている既製服ですが、FEMのシャツはネックと袖丈を選べますのでどんな体型の方でも自分に合うサイズが見つかり、サイズ展開は既製服としては規格外の多さです。
…と、いうのはもう散々言ってきました。
皆様、今回のBLOGは「洋服解剖学」です。
ほんと、もう少しカジュアルなタイトルを付けるんだったなーとも思いますが、せっかくなのでちょいとマニアックなお話をしましょう。
魅力その1、脇の縫い方
脇の縫い方を見ればどれくらい本気で作られているかわかります。
FEMのシャツは細巻き縫い、アメリカントラッドに縁のあるブランドですとシングルニードル技法、洋裁では折り伏せ縫いとも呼ばれます(色々呼び方はあります、僕はこの呼び方で習いました)。
正直これ自体に何か機能性があるわけではないので、気にしない方からすればどうでもいいところですが、いかにここが綺麗に縫われているかというところに服好きは惹かれるのです。
一体何が凄いのか。
脇の縫い方も色々ありますが、今で多いのはこういった巻き縫いのタイプでしょう。
生地を巻き込んで縫うという点では折り伏せ縫いと同じですが、こちらは地縫い(身頃同士を縫い合わせること)を必要とせず、専用のミシンでダブルステッチをかけます。
対してFEMのシャツに採用されている折り伏せ縫いは地縫いを行い、前身と後ろ身の縫い代に差をつけて折り込み、そこをミシン目を落とさずに縫うという方法です。
これはブ〇ックスやイ〇ディビのような高級ドレスシャツなんかにも採用されている方法で、昔は便利な巻き縫い用のミシンなんかなかったでしょうからわざわざ綺麗に織り込んで細幅のステッチを掛けていたのです。
折り幅は5mm、ステッチ幅は3mmです。
これだけでミリ単位で縫製されていることが分かっていただけるはずです。
ちなみに僕も学校で折り伏せ縫いをやりましたが、これがきっかけでシャツは大人しく買った方がいいなと思い知らされました。
魅力その2、前立ての縫い方
こちらも言われなければ気が付かないポイントです。
FEMのシャツの前立てはチェーンステッチで縫われています。
何故そんなことをわざわざしたのか。
チェーンステッチにすることでパッカリングがかっこよくでます。
パッカリングとは生地と縫い糸の縮みの違いによっておこるアタリのことです。
デニムで見てもらうとわかりやすいですが、チェーンステッチの場合通常のアタリとは一味違い、生地に対して斜めから針を入れ、糸と生地との縮みの差によって波打つようなアタリがでます。
これが狙い。デニムの巨匠である林さんがシャツにも命が宿るように細工をしてくれました。
ドレスシャツのような綺麗なつくりでありながら、デニムと同じようにエイジングを楽しめるとは何とも粋な計らいです。
魅力その3、襟のロール
ボタンダウンシャツの肝となる襟。
襟のロールの出方によってシャツの良し悪しが決まると言っても過言ではありません。
FEMのシャツは襟に芯が入っておらず、ボタンホールも襟先ギリギリに開けられています。
そのため、ビジネスシャツのようなパキッとした襟ではなくても、襟のロールが美しく出ます。
6つボタンという特性もあるので首元の見え方は一般的な7つボタンのものとはまた違った面白さがあります。
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FEMが他のブランドとは違うポイントは、既製服でありながらオーダー服のようなサイズ選びができ、かつドレスとカジュアルのバランスが取れているところです。
決してお安いシャツではありませんが、ご自身のワードローブに加えればついつい手が伸びる事でしょうし、シーズンファブリックも集めれば洋服選びが楽しくなるはずです。
イベントではアーカイブ品も含め、たくさん並んでおります。
まずはお好きな一着を選んでみてください。