普段僕はスーツを着て仕事をする機会がありませんし、ネクタイも高校以来、あとは冠婚葬祭の時以外にした事はありません。なぜ人はネクタイをするのでしょうか?
「ネクタイの起源を示す最古の証拠は、ローマ皇帝トラヤヌスの記念柱にあるとする本は多い。しかし、この紀元2世紀の初期にローマ軍兵士が首に巻いていた布は、今日のネクタイとは似ても似つかず、首に巻きつけた1枚の布にすぎない。ネクタイの本当の起源は、17世紀中頃から男性の衣装の一部として用いられたネッククロス、あるいはクラバットだ。 ~中略~
現代のネクタイの、原型が最初に見られたのは、18世紀のアメリカだった。それは「バンダナ」と呼ばれる柄の入った大きな布で、首の周りに数回巻いて蝶結びにしたものだった。 ~中略~
今日のネクタイの先駆けとなったのは、最初に作られたスクールタイとクラブタイだった。1880年、オックスフォード大学、エクセター・カレッジ校の学生が自分たちの麦わら帽のリボンをはずして首に巻き、簡単な結び目を作ったのが、クラブタイの始まりだ。 ~中略~
現代のネクタイは、一般に、フォーマルウェアの一部と考えられている。しかし、だからといって、ファッショナブルでないというわけではない。 ~中略~ 」
(以上は「GENTLEMAN」より引用いたしました。)
今のネクタイの形になったのはアメリカが起源で、大学の制服とともに作られていったのですね。しかし、ローマ人もアメリカ人も最初は首に布を巻こうとしたと言う共通点がとても面白いです。それは防寒のため、首を守るため、身分や所属を表すため、そしてファッション性、さまざまな要素が絡んでいるようです。
『ウィンザー・ノット』と言うネクタイの結び方があります。英国のウィンザー公=イギリス国王エドワード8世(Edward Albert Christian George Andrew Patrick David Windsor. 1894-1972)が、自身が好んだシャツのエリの形、「ワイド・スプレッド・カラー」にあう結び方として考案したとされているものですが‥。一般的なネクタイの結び方、『プレーン・ノット(シンプル・ノット、フォアインハンドとも呼ばれる)』に対して、『ウィンザー・ノット』は結び目が大きくなるため、エリの大きく開いた「ワイド・スプレッド・カラー」のシャツにはバランスが良いのです。
このウィンザー公、国王エドワード8世、英国皇太子とも同一人物なのですが、当時「世界で一番魅力的な独身男性」と言われて、世界中の女性のあこがれの的であった男です。実はウィンザー公は『ウィンザー・ノット』をしていなかったという説があります。芯地を厚くしたネクタイを特別に作らせていたので、結び目が大きく見えた、という話だそうですが、果たして‥?その時代に生きていた人間にしか分からない事ですね。
●愛のために王冠を捨てた、とされるウィンザー公。1936年、イギリス国王エドワード8世として撮影された写真です。
●通常ボタンダウンシャツにはプレーンノットでネクタイをしますが、芯の入っていない細身のネクタイなので、あえてボリュームを出すためにウィンザーノットを今回は使用しました。英国×アイビー。恐れ多いですが、せめてポーズだけでも‥国王と同じで撮影。
NOUN ボタンダウンシャツダブルエルボ カラー:ホワイト、ロンドンストライプ(ホワイト/ネイビー)(着用) サイズ:M、L(着用) プライス:¥11340-(ホワイト)、¥12390-(ロンドンストライプ) レザーメッシュベルト カラー:ブラウン、ブラック(着用) サイズ:S(着用)、M、L ¥7,245- NOUN パンツ カラー:ベージュ(着用)、オリーブ、ネイビー、デニム、ホワイトサテン サイズ:S(着用)、M ¥15540-(オリーブのみ\16590-) ラルフローレンラグビー ネクタイ ¥5,145-
ネクタイ一つとっても、ファッションには長くまた複雑な歴史があるのですね。バックボーンを知ると普段着る服もいつもよりさらに楽しく思えますし、また新たなスタイルにも挑戦してみようかという気にさせられます。 これからもファッションに関する様々な事を調べてみたいと思います。